「銀河英雄伝説3巻」ヤン・ウェンリーの名言・台詞まとめました

「銀河英雄伝説3巻」ヤン・ウェンリーの名言・台詞をまとめていきます。

3巻 雌伏篇

→銀河英雄伝説1巻(ヤン)はこちらより

第一章 初陣

「抵抗できない部下をなぐるような男が、軍人として賞賛に値するというなら、軍人とは人類の恥部そのものだな。そんな軍人は必要ない。すくなくとも、私にはね」

 

「たしかにトリグラフはみばえのいい艦だ。だからこそ旗艦にしなかったのさ。自分がそれに乗ったら、その美しさを観賞するわけにいかないじゃないか……」

 

「安全だと思ったから送り出したんだがなあ……」

 

「一度も死んだことのない奴が、死についてえらそうに語るのを信用するのかい?」

 

「兵力の逐次投入は、この際、かえって収拾の機会を減少させ、なしくずしに戦火の拡大をまねくだろう。全艦隊をもって急行し、敵の増援が来る前に一戦して撤退する」

 

「いいさ、逃してやろう」

 

「なに、単に一生分の好運をまとめて費いはたしただけだろう。これで戦いを甘く見るようになったら、かえって本人のためにならない。真の器量が問われるのはこれからだ」

 
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第三章 細い一本の糸

「傷ついてるんです。独身の間はお兄ちゃまと呼ばれたい、と思っているんですがね」

 

「生涯、独身で社会に貢献した人物はいくらでもいますよ。4、500人リストアップしてみましょうか」

 

「ですが、ただでさえ忙しいんですよ。そんなことまで考えていたら……」
「昼寝をする暇もなくなってしまう」

 

「それほど潔癖な人間じゃありませんよ、私は。めんどうくさいんです。ほんとうに、ただそれだけです」

 

「志を継ぐのは、べつに血を分けた息子である必要はないでしょう……志があれば、の話ですがね」

 

「まあ、そう心配しないでください。私だって何も考えていないわけじゃありません」
「ミスター・トリューニヒトのおもちゃになるのはごめんですし、安定した老後を迎えたいですからね」

 

第五章 査問会

「(査問会は)超法規的存在ってやつかな」
「とは言っても、国防委員長が私に出頭命令を出すこと自体は、りっぱに法的根拠を持つからな。虚栄と背徳の都へ、赴かざるをえないらしいよ」

 

何十年かに一度出るかどうかという偉人に変革をゆだねること自体、民主政治の原則に反する。

英雄や偉人が存在する必要をなくすための制度が民主共和制であるのだが、いつ理想は現実に対して勝者となれるのだろうか。

 

「将兵の生命より無人の衛星が惜しいとおっしゃるなら、私の判断は誤っていたことになりますが……」

 

「それが非難に値するということであれば、甘んじてお受けしますが、それにはより完成度の高い代案を示していただかないことには、私自身はともかく、生命がけで戦った部下たちが納得しないでしょう」

 

「あれは私には珍しく見識のある発言だったと思います」

「国家が細胞分裂して個人になるのではなく、主体的な意志を持った個人が集まって国家を構成するものである以上、どちらが主でどちらが従であるか、民主社会にとっては自明の理でしょう」

 

「そうでしょうか。人間は国家がなくても生きられますが、人間なくして国家は存立しえません」

 

「無用な誤解とは、どういうものか、具体的に教えていただけませんか」
何か証拠があっての深刻な疑惑ならともかく、無用の誤解などという正体不明のものに対して備える必要を、小官は感じません」

 

「それでは、ひとつ、お願いがあるのですが」
「模範解答の表があったら、見せていただけませんか。あなたがたが、どういう答えを期待しておいでか知っておきたいんです」

 
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第六章 武器なき戦い

「すばらしいご意見です。戦争で生命を落としたり肉親を失ったりしたことのない人であれば、信じたくなるかもしれませんね」

「まして、戦争を利用して、他人の犠牲の上に自らの利益をきずこうとする人々にとっては、魅力的な考えでしょう」

「ありもしない祖国愛をあると見せかけて他人をあざむくような人々にとってもね」

 

「あなたがたが、口で言うほどに祖国の防衛や犠牲心が必要だとお思いなら、他人にどうしろこうしろと命令する前に、自分たちで実行なさったらいかがですか」

 

「人間の行為のなかで、何がもっとも卑劣で恥知らずか」

「それは、権力を持った人間、権力に媚を売る人間が、安全な場所に隠れて戦争を賛美し、他人には愛国心や犠牲精神を強制して戦場へ送り出すことです」

「宇宙を平和にするためには、帝国と無益な戦いをつづけるより、まずその種の悪質な寄生虫を駆除することから始めるべきではありませんか」

 

「いっそ退場を命じていただけませんか。はっきり申しあげますがね、見るに耐えないし、聞くに耐えませんよ。料金を払っていないといっても、忍耐には限度が……」

 

「わかりました。イゼルローンにもどりましょう。あそこには私の部下や友人がいますから」

 

「そうだ、たいせつなことを忘れていた」

「帝国軍が侵攻してくる時機をわざわざ選んで、小官をイゼルローンからお呼びになった件に関しては、いずれ責任のある説明をしていただけるものと期待しております」

「むろん、イゼルローンが陥落せずにすめば、の話ですが。では失礼……」

 

「ありがとう、大尉、何と言うか、その、お礼の言いようもない」

 

「……ちょっと待ってください。レベロ閣下、私は権力者になる気はありません、その気があるなら、昨年のクーデターの際にいくらでも機会はありました」

 

「私も権力を手に入れたら変質するだろう、と、お考えなんですか」

 

「ローエングラム公ラインハルト自身ならともかく、彼の部下にまで負けてはたまらないからな……」

 

「何にしても、わが同盟政府には、両手をしばっておいて戦いを強いる癖がおありだから、困ったものですよ」

 

「おっしゃるとおりです。何と言ってもイゼルローンは私の家ですからね」
「じゃあ、大尉、わが家に帰るとしようか」

 
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第八章 帰還

「私がいますよ」

 

「いや、(皇帝は)殺さないと思うね」

「歴史上、簒奪者は数かぎりなくいる。王朝の創始者なんて、侵略者でなければ簒奪者だものね。だけど、すべての簒奪者がそのあと先君を殺したかというと、けっしてそうじゃない」

「貴族として優遇した例がいくらでもある。しかし、その場合、旧王朝が新王朝を倒して復古した例は絶無だ」

 

何百年かにひとり出現するかどうか、という英雄や偉人の権力を制限する不利益より、凡庸な人間に強大すぎる権力を持たせないようにする利益のほうがまさる。

それが民主主義の原則である。

 

「奇襲? 私は最初からそんなものする気はなかったよ。帝国軍が吾々を見つけてくれて、じつは安心しているんだが……」

「つまり、帝国軍の指揮官は、敵の援軍を、というのは吾々のことだけどね、発見して選択に迫られることになる。彼はさぞ迷うだろう」

「このままイゼルローン要塞を攻撃しつづけて、吾々の攻撃に背を向けるか。その逆に吾々と戦って、イゼルローンに後ろを見せるか」

「兵力を両方向に分散して二正面作戦をとるか、時差をつけて各個撃破するという賭に出るか。勝算なしと見て退去するか……」

「まあ、追いこまれたわけだ。これだけでも吾々が有利になったんだよ」

「私としては、ぜひ五番目の選択を彼にしてほしいね。そうすると、犠牲者が出ないし、第一、楽でいい」

 

「そうだね。私だったら、要塞に要塞をぶつけただろうね。どかんと一発、相撃ち。それでおしまいさ。何もかもなくなった後に、別の要塞を運んでくれば、それでいい」

「もし帝国軍がその策できたら、どうにも対策はなかったが、帝国軍の指揮官は発想の転換ができなかったみたいだ」

 

「もっとも、それですでにやられていたら、むろん対策はないんだが、これからその策で来る、ということであれば、ひとつだけ方法はあるけどね」

 

「気づいたな……だが、遅かった」

 
 
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第九章 決意と野心

「これが名将の戦いぶりというものだ。明確に目的を持ち、それを達成したら執着せずに離脱する。ああでなくてはな」

 

「ああ、何にもいいことのない人生だった……いやな仕事は押しつけられるし、恋人はいないし、せめて酒でも飲もうとすれば叱られるし……」

 

「なあ、ユリアン。あんまり柄にない話をしたくはないんだが、お前が軍人になるというのなら、忘れてほしくないことがある。軍隊は暴力機関であり、暴力には二種類あるってことだ」

「支配し、抑圧するための暴力と、解放の手段としての暴力だ。国家の軍隊というやつは……本質的に、前者の組織なんだ。残念なことだが、歴史がそれを証明している」

 

「ルドルフ大帝を剣によって倒すことはできなかった。だが、吾々は彼の人類社会に対する罪業を知っている。それはペンの力だ」

「ペンは何百年も前の独裁者や何千年も昔の暴君を告発することができる。剣をたずさえて歴史の流れを遡行することはできないが、ペンならそれができるんだ」

 

「人類の歴史がこれからも続くとすれば、過去というやつは無限に積みかさねられてゆく」

「歴史とは過去の記録というだけでなく、文明が現在まで継続しているという証明でもあるんだ。現在の文明は、過去の歴史の集積の上に立っている」

「……だから私は歴史家になりたかったんだ。それが最初のボタンをかけまちがえたばかりに、このありさまだものなあ」

 

「まあ、なかなか思いどおりにはいかないものさ。自分の人生も他人の人生も……」

 

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

 

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