敗者のゲーム(チャールズ・エリス)

素人がプロに勝てるだろうか?
全てのプロは勝っているだろうか?
現代の投資は敗者を決めるケームになっている。
長期投資を目指す人、必読の一冊。

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プロ任せにしない

懸命な投資家は自ら判断する。
自分にはわからないから専門家に任せようとしてもうまくいかない。

投資を行う時、これだけはしてはいけないこと。
人任せにした上、失敗した場合も相手のせいにする。
余りにも多いパターンです。
自分で決めることが出来ないなら、投資に手は出さないほうが賢明です。

正しいアプローチ方法

何に投資するかを自分で決めたがらない人も多い。
しかし実際には、ほとんどの投資家の投資判断の総和ともいえる市場に、基本的で単純な戦略で立ち向かうのが正しいアプローチの仕方である。

本書は、インテックスファンドに投資することを勧めている。
そのため個別銘柄を選定して、短期で売買することを非難している。
大きく勝てないが、負けにくいアプローチ方法となる。

ロマンチックな夢

自分の信じていることと合わない情報に出会った場合、人は次のどちらかの反応を示すようだ。
この新しい状況を無視して、これまでどおり信じていることを変えないか、それを受け入れて利用するかである。
ほとんどの機関投資家と個人投資家は、現在とまったく違った過去の市場で生まれたロマンチックな夢を捨てていない。

耳の痛い言葉です。
長く投資を続けている人のほとんどは、この「ロマンチックな夢」を見たことがあるのでは?
私自身は何度もある...
この付近まで下がった時に反発している。逆にここまで上がった後は反落している。
という過去の事例に合わせて売買を行った後、反対の事が発生する。
予想が外れた後、自分のルールを守れずに深みにはまることが多いので注意したい。

プロは正しいのか?

機関投資家の大多数は市場平均より高い成果をあげられる、という前提は正しくない。
なぜなら機関投資家そのものが市場なのだから、機関投資家全体としては、自分自身に打ち勝つことはできないのだ。

現在の株式市場は、いつも上昇しているわけではなく、アップダウンを繰り返しているゼロサムゲームであり、半数は損失を出している状況になる。
さらに半数は儲けているかといえば、必ずしもその通りではない。
売買には手数料と税金が発生する。
簡単に言えば、今の株式市場はマイナスからスタートするギャンブルと同じ。
(証券会社には会社の経費と個人の給料も必要になる)
その様な状況であり、プロ対プロの駆け引きの場なのだから、プロだから成果が高いというのは間違っていると結論付けている。
ましてや個人投資家などは。

勝ちに惹かれた結果

「勝者のゲーム」は、その絶対的な勝利に惹かれるプレーヤーを集めすぎるがために、しばしば自己崩壊する。
それはゴールド・ラッシュの惨めな結末にも現れている。

多くの人が参加して欲にまみれた状態になったら、その市場は暴落が近いと理解している。
これは少し昔を調べれば、100%の事実だと分かること。

長期投資の悪評について

相場変動に振り回されずに長期運用を継続することは難しく、しばしば悪評を買う。
株式市場の活況が続くと「今こそ買うべし」、暴落期には「すべて投げ売りすべきだ」、というムードが支配的になる。
こうしたパニック的状況において冷静さを保つのは容易ではない。

短期投資家が、長期投資家を批判することについて。
この感覚は株取引を長くしている人なら分かるだろう。
一日中そのことばかり考えてしまう上、予想がまったく当たらない。
「買えば下がり、売れば上がる」を繰り返す。
そういう時、長期投資家は動かないほうが良いと指摘している。

市場の動きを考えること

はっきり言って、個人投資家が市場動向を良く考えて行動すると、まず失敗する。

言葉の通り本当に分からない。単なる二択なのに、50%を確保することも難しい。
しかし分からないからと言って考えないと、もっと問題が拡大する。

投資信託の成績

短期的にマーケットに「勝つ」ことのできる投資信託はあっても、長期にわたって市場平均以上の成績を出せる投資信託はきわめて限られている。
そして、これまでにそうしたファンドを事前に見分ける方法を見出した者はいない。

これを読んで投資信託がダメとは考えないこと。
あくまで、ダメな投資信託がたくさんあることを理解するだけ。
プロがいつでも正しいわけではない。投資信託も種類の見極めが大切になる。

投資信託の見分け方

優秀なマネジャーを探すうえで障害となるのは、過去の実績がよかったからといって、将来もよいとは限らない、ということだ。
過去のデータが役に立つのは、運用実績が継続的に悪い場合で、将来立ち直るのは難しいという点である。

「過去が良くても将来は分からないが、過去が悪ければ将来も悪い」
辛辣ではあるが、事実ということは経験で分かる。
もちろん良くなる事例もあると思うが、わざわざ確率の低いところにかける理由は何もない。

大きく下げた後

長期的に見て投資家が失敗する原因の一つは、激しい下げ相場の過程で、パニックに陥り、上記のような最大の上げ相場に参加する機会を自ら放棄してしまうことだ。

最近の日本でも「リーマンショックで下落」して、数年後「アベノミクスで上昇」の流れが起きた。
多くの方が「リーマンショックで下がった後に売却」し、「アベノミクスで上がった後に購入」しているのでは?
その為、ほとんど利益は出ていないと推察する。
このように株価の動きは分からないから、パニックにならないように示唆している。

大きく上げた後

投資家たちは、そのピークにおいて「今度こそは、まだまだ上がる!」と言い続けてきたのである。
こうした、長い上げ相場の後に起こる大暴落の例は枚挙に暇がない。

まさに言葉のとおり。最近ではトランプ相場でかなり上昇した。
その時、このまま日経平均で2万5千円ぐらいになるという本が多数出版されている。
信じているのではなく、「信じたい」という感じ。
今後の動きは分からないが、外れる可能性が高いと考えている。
情報というのは「まだ上がる」感を出して多くの購入者を生み出し、その結果「高値」になるという流れがある。
それによって利益を得るのは誰で、損をするのは誰でしょうか?

人の合理性

ラスベガスもマカオもモナコも、いつも人で一杯である。
これを見てもわかるとおり、すべての人が合理的だとは言えない。

結構、辛辣な言葉です。
多くの人はお金を儲けたいといいながら、資産を減らしている。
トータルで見ると圧倒的に負ける確率が高いのに、ギャンブルがやめられない。
これを悪いとは思っていない。
パチンコや競馬などをゲームと捉えれば、負けても楽しめたからOK、もし勝てたらラッキーとなるからです。
投資(投機?)においても、合理的でない人のほうが多い?

投資に面白さは不要

投資は娯楽ではない。責任である。投資は本来「エキサイティング」なものでもない。
むしろそれは原油の精製やクッキー、ICなどの製造工程のように、じっくり腰を据えて取り組むべき作業である。
投資がエキサイティングになってきたら、何かが変だと思う必要がある。
ほとんどの投資家にとって、面白そうに見えるものは無視するほうがよい。

誰にとっても注意すべきこと。
株取引を始めると、株価の上下に一喜一憂してしまう。
投資は1日単位での確認でも多すぎるのに、時間単位で株価を見てしまうもの。
また面白そうな銘柄とは値動きが激しいため、危険きわまりない。
自分は対応できるという無意味な自信は、きっと間違いを起こすため
手を出さないことをおすすめしたい。

自分が求めるもの

私たちは、現実を冷静に見つめるのではなく、自分の当初の判断にこだわり、その補強する材料ばかり求めたがる。

なかなか耳の痛い言葉です。そしてその傾向は多く見られる。
自分が購入した株式について、悪い情報もよく入るもの。
しかしそれらは聞き流し、よい材料を拾い集めて自分の判断が正しかったと思い込み、最終的に損失を出す。
このような行動を、何回繰り返せばいいのだろうか。

株は...

株はあなたに持たれているとは知らない。そして、そんなことは気にも留めていない。

なかなかの名言です。覚えておく必要があります。

長期投資家の考え方

長期投資家は経験から、経済活動や株式市場における正規分布と、「平均への回帰」という素晴らしい確率の法則を理解している。
そして、現在の状況が平均から離れていればいるほど、平均へ戻る力が強く働くということも理解している。

このことが長期投資家の拠り所となる。
また短期投資家にとっては、長期投資のダメなところと言っている。
確かに今までを振り返ると、平均へ戻るという考えは正しい。
ただし問題は、「それがいつ?」というところ。
分からない将来に期待するのは、投資本来の姿かもしれないが、それを言い訳にしているところもある。
どちらが正しいとも、私には言えない。

リスクの意味

リスクとは、必要な時に必要な資金を持っていない状態を指しているのだ。

長期投資においては、株価の上げ下げは当然のことと考えている。
ここでいうリスクとは株価が下がることではなく、株価が下がった時に追加で買えないことこそリスクと言っている。
平均への回帰を考える時、儲ける確率が高いのに見逃す手はありません。

自分自身

もしあなたが自分自身について十分に理解していなければ、株式市場を理解するには恐ろしく金がかかる。

投資はメンタルが大切です。何度も言われている言葉になります。
しかし多くの株初心者は、自分のメンタルを知らずに投資を始める。
結果、翻弄されるだけで負けることが多い。
方法も大切だが、それを実施するメンタルを含む自分自身を知ることは、より大切になる。

ほとんどの投資家

ほとんどの投資家は非常に人間的で、相場の値上がりを望み、すでに十分値上がりしてしまった株式を熱心に買い増していく傾向がある。

落ち着いて考えれば誰でも分かることなのに、実際の当事者になってみると同じことをする。
株価が上がっていくのを、買わずに我慢するのは非常な努力が必要になる。
やがて限界を越えて購入してしまうと、ちょっと上がった後に暴落というお決まりのパターンが待っている。
チャレンジしたい気持ちは分かるが、チキンレースに参加するのは控えるのが賢明です。

何かしてしまうこと

もしあなたが上昇相場で興奮してしまい、下げ相場で意気消沈するようなことがあるとすれば、それは考え直したほうがよい。
さもなければ、あなたはすぐに群衆心理に取りつかれ、何かをしなければ気がすまなくなる。

上がれば喜び、下がれば落ち込むのはよくあることだが、これを諌めている。
私の経験上、市場に合わせて売買を行いロスを減らそうとすると、何故か上手くいかない。
不思議なぐらい予想を外す。そのため、「動かない」という選択も大切なことになる。

書籍

市販されている投資関係の書籍のほとんどは、個人投資家がプロの投資家に勝てるという、とんでもない幻想を売っている。
これは不可能な話である。

「不可能」とは思わないが、「誰でも勝てる」や「簡単に勝てる」と書いている書籍は、100%ウソと言って間違いない。
それが出来るぐらいなら誰も苦労しない。
実際に勝ったことにより、作者も書いているのは理解する。
しかしその後も、勝ち続けているかは分からない。
宝くじで1等を当てた人の必勝法は、本人も含め誰の必勝法にもならない。
書籍で方法を学ぶことはマイナスではないが、その通りしても失敗するという事実は認識する必要がある。

投資について

投資は単純である。しかし、単純なことを実行するのが難しい。

確かに投資は単純です。安い時に買い、高い時に売るだけである。
しかしそのたった二つの作業のために、ありとあらゆる方法と手段が取られている。
そして必勝法というのは未だに存在しない。
本当に投資というのは、メンタルが大切だということを改めて感じる。

感想

この本ではひたすらに個人が短期売買を行っても勝てないこと、プロでも市場の平均すらほとんど越えていないことが記されている。
今回のピックアップではほとんど取り上げていないが、個人が唯一勝つ方法として「インデックスファンド」に投資することを推奨している。
インデックスファンドとは、日経平均や外国の優良企業平均等に、連動した投資信託のこと。
インデックスファンドの細かいことは、別の機会としたい。
とにかに長期投資を目指す人にとって、間違いなく必読の一冊です。
(このページは第5版で書いているが、最新版は6版になっている)

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敗者のゲーム〈原著第6版〉

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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