「最高のコーチは、教えない(吉井理人)」の名言をまとめていきます。
最高のコーチは、教えない
はじめに
どうすれば相手のモチベーションを高め、能力を引き出し、高い成果を挙げることができるのか。メンバーを成長させることができるのか。
その方法は、「教える」のではなく、自分の頭で考えさせるように質問し、コミュニケーションをとる「コーチング」という技術だ。
自分のことしか考えてこなかった人間が、何の準備もなく教える側に立っても、自分の経験を伝えることしかできない。
「おまえ以上におまえのことを知っているのは、このチームにはいない。だから、おまえのピッチングについて、俺に教えてくれ」
「そのうえで、どうしていくのがベストの選択かは、話し合いながら決めていこう」(ボブ・アポダカ)
コーチの仕事は、選手が自分で考え、課題を設定し、自分自身で能力を高められるように導くことだ。
第1章
コミュニケーションがあってはじめて、選手はコーチの言葉に耳を傾ける。
コーチは自分の発する言葉の重みに自覚的にならなければならない。深く考えずに言った言葉が、選手の精神状態をかき乱すこともある。
コーチのアドバイスは、本来、選手にとっては邪魔なものである。だからこそ、コーチは自分の経験に基づいた言葉だけでアドバイスするのは避けるべきだ。
相手が理解できない言葉で、相手に何を伝えても意味がない。
「そんなん簡単や。手ぇ抜いたときや。でもな、選手のミスは絶対に叱っちゃあかん。本気を出さんとき、手ぇ抜いたとき、そんときだけ怒れ」(野村克也)
第2章
完全に一人ひとりに対してオーダーメイドで対応していくのが、指導行動の本質である。
選手が自分でコントロールすることが可能で、失敗してもやり直しがきくような課題を設定し、モチベーションを高めるような指導をするのが、コーチが行う育成行動の本当の役割である。
コーチは、選手が難易度の高い課題(=夢)に挑戦する前に、クリアしなければならない課題があることを根気強く説得し、理解させ、納得させなければならない。
コーチは、選手に自分の言葉で語らせることに、徹底して意識的にならなければならない。
自らの現状を把握できていない選手は、やり方もわかっていないので、「おまえらはまだそのレベルではないよ」とはっきり言いながらやらせていく。
第3章
答えといっても、それは僕の答えなので、その選手に合っているかどうかわからない。
厳しい指導者に教わった選手は、やらされることに慣れ、自分で考えようとしない。考えられないと言ったほうが正確かもしれない。
人は、自分の姿はわからないものだ。しかし、わかっていなければ自分の状態を言語化することはできない。
唯一の強みが自分を活かす武器になると信じられなければ、強みを磨こうというモチベーションにはつながらないからだ。
答えはない。選手によって正解は違う。
第4章
指導する立場の人は、自分の感情をコントロールし、できるだけ表情を変えないようにしてほしい。むしろ、それができないコーチは、指導者の資格はない。
プロ(仕事)のやり方も何も知らないのに、何も教えないのはコーチに責任がある。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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