「銀河英雄伝説(田中芳樹)」の名言まとめました

10巻 落日篇

吉事と凶事

吉事は延期できるが、凶事はそうはいかぬ。
まして国家の安寧にかかわりあること、陛下のご裁断がどう下るかはともかく、お耳に入れぬわけにはいかぬ。

ラインハルトとヒルダの結婚式の途中で、暴動を伝えたオーベルシュタインが話したこと。
作中でも書いているが、まさに正論である。
こういうことを嫌ってしまうのが、堕落の始まりと言われれば返す言葉は無い。
ただ問題は、「しかし」という言葉を誰もが感じることだ。
全く正論は、正論ゆえに使い所が難しい。

政治と軍事

政治的な要望と軍事的な欲求とは、しばしば背馳する。

政治的な要望とは民衆の声、軍事的な欲求とは冷徹な勝利の可能性。
求まれたから戦ったが負けました、では話にならない。
しかし求められたが負けそうなので戦いませんでした、でも話にならないことがある。
どちらも可能性が低いとしたら、後は決断しかない。
全く批判だけで済むなら楽なんですけどね。

策略

敵をして、その希望がかなえられるかのように錯覚させる。
さらに、それ以外の選択肢が存在しないかのように、彼らを心理的に追いこみ、しかもそれに気づかせない。

ユリアンがヤンから受け継いだ、策略の真髄となる。
明らかな罠を設置しても、誰も引っかからない。
しかしその罠が相手にとって有利に働きそうなら、喜んで引っかかるだろう。
相手が自分で発見したと錯覚するような、弱点を意識的に作ることもそれにあたる。
全く判断は難しい。

家訓

ビッテンフェルト家には、代々の家訓がある、他人をほめるときは大きな声で、悪口をいうときはより大きな声で、というのだ。

いつものようにオーベルシュタインの悪口を話すビッテンフェルト。
部下にたしなめられた時、大声で話した言葉。
全く分かりやすい。少なくとも悪人では無いですよね。

選択

軍事的浪漫主義者の血なまぐさい夢想は、このさい無益だ。
100万の将兵の生命をあらたに害うより、1万たらずの政治犯を無血開城の具にするほうが、いくらかでもましな選択と信じる次第である。

イゼルローン軍を屈服させるため、人質を使おうとするオーベルシュタインが話したこと。
人の損害を数値だけで考えると正論となる。
しかし結果として亡くなる命と、確実に亡くなる命は受け取り方が違う。
戦って亡くなる命と、戦うことすら許されずに亡くなる命の受け取り方も違う。
人の感覚は命を数値では捉えない。
残酷な話だが外国で1万人の被害が出るより、我が子の風邪の方が気になるものだから。

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気にくわないこと

オーベルシュタインに私心がないことは認める。認めてやってもいい。
だが、奴は自分に私心がないことを知って、それを最大の武器にしていやがる。
おれが気にくわんのは、その点だ。

オーベルシュタインに対する、ビッテンフェルトの評価となる。
「認めるけど気にくわない」
正しいとは思うけど、「嫌」と感情的に反対したくなる時はある。
嫌いな野菜を食べさせようとする人を、好きになれる道理は無い。
「健康に良いから」とでも言われたら最悪だ。
もちろん、家族なら仕方ないと考えるが。

民主的と非民主的

それらが非民主的な手段によるものであったことは、この際、問題にならない。
帝国の民衆は、民主的な手つづきなど欲していなかったからである。

帝国はラインハルトの改革により、よりよい方向に進んでいる。
ユリアンは、「民主的に行われた結果ではないこと」を問題視する。
しかし帝国の民衆が、民主的な手続きなど求めていないことも知っていた。
民主主義が幸せになる唯一の方法ではない。
もしそうなら現代が幸せで、ほとんどの過去は不幸となる。
しかし善良な統治者や貴族の元で、幸せを感じた民衆はいる。
また日本でも江戸時代が不幸の時代とは、誰も考えないだろう。
民主主義では、民衆が努力をしないといけない。
これこそが民主主義の弱点になってしまう。

宣言

戦うにあたり、卿らにあらためて言っておこう。
ゴールデンバウム王朝の過去はいざ知らず、ローエングラム王朝あるかぎり、銀河帝国の軍隊は、皇帝がかならず陣頭に立つ。

戦いに先立って、ラインハルトが全軍に宣言したこと。
全軍を鼓舞するにはよいが、これはラインハルトだから。
無能な皇帝だったとしたら、返って迷惑かも?

偽善と浪費

助からぬものを助けるふりをするのは、偽善であるだけでなく、技術と労力の浪費だ。

瀕死の重傷を負ってしまうオーベルシュタインが、軍医に話したこと。
全てに対して合理主義を第一と考え、それは自分すら同じこと。
合理主義とは人を人として考えず、数値として考えること。
考えるのは仕方ないが、口に出すのは避けた方がいいですね。

我が子

帝国などというものは、強い者がそれを支配すればよい。
だが、この子に、対等の友人をひとり残してやりたいと思ってな。

我が子にミッターマイヤーの子供を会わせたラインハルトが語ったこと。
おそらく唯一の父親らしい言葉になる。
特に追記は不要だろう。

未来

いいか、早死するんじゃないぞ。
何十年かたって、おたがいに老人になったら再会しよう。
そして、おれたちをおいてきぼりにして死んじまった奴らの悪口を言いあおうぜ。

ユリアンとカリンに別れを告げる、ポプランが話したこと。
生き残った者の特権。
実現すれば素敵なことですね。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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