「銀河英雄伝説」の名言まとめました

3巻

軍人

抵抗できない部下をなぐるような男が、軍人として賞賛に値するというなら、軍人とは人類の恥部そのものだな。
そんな軍人は必要ない。すくなくとも、私にはね。

上官による体罰を極度に嫌うヤン。そのため、このようなことを語っている。
ただ確認したいのは、「抵抗できない部下」と書いている点である。
暴力はいけない。もちろん体罰もいけない。
しかし「100%ダメ」かと言うと、必ずしも同意できない。
唯一例外があるとすれば、周りに暴力を加える部下について。
暴力する人に対してすら、暴力はいけないのだろうか?
「力に対して力を使うこと」は、際限のないことなのだろうか?
このテーマは永遠に解決することはないだろう。

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幸運

ユリシーズの武運にあやかりたいものだな。
みんな、かっこうが悪くてもいい、生き残れよ!

ユリシーズは歴戦の戦艦だが、排水設備を壊されたまま戦う不運に見舞われたことある。
また今回は新兵の訓練中に敵と遭遇。
そんなとき司令官であるアッテンボローが語ったこと。
排水設備を壊されながら戦うのは悲劇である。
しかし戦闘には生き残ったのだから、それは喜劇に変わる。
新兵にとって、綺麗な死とかっこ悪い生。どちらが良いかは明白である。

簒奪

簒奪が世襲より悪いなどと、誰が定めたのか。

現在の皇帝からの簒奪を目指している、ラインハルトが考えていること。
一般的な考えでは、簒奪は必ずしも好ましくない。
しかしそれは今が良い場合であり、悪い世襲ならどうだろうか?
簒奪した結果が良い方向に向かうなら、簒奪の方が正しいのだろうか?
ただ問題になるのが、その良いが続くのかどうか?
これは善悪で語ることは出来ない。

ヤン・ウェンリー評

お前さんの保護者は昨日のことはよく知っている。明日のこともよく見える。
ところが、そういう人間はえてして今日の食事のことはよく知らない。わかるな?

ヤンの先輩のキャゼルヌがユリアンに対して、ヤンについて語ったこと。
ヤンは歴史を良く知っており、また未来の予測が確かである。
しかし日常のことには興味がなく、また運動や射撃も苦手である。
そういう人物は大物の動きは予測できても、小物の動きが分からない。

武力

武力とは政治的・外交的敗北をつぐなう最後の手段であり、発動しないところにこそ価値があるのだ。

ラインハルトの副官であるヒルダが考えていること。
武力の目的は勝利ではない。それは手段に過ぎない。
勝利を得ることによって、交渉を有利にするために行うのである。
言い方を変えれば、交渉が成立するなら武力など必要ない。
ただ残念ながら、力なき正義は無力である。

理想と現実

いつ理想は現実に対して勝者となれるのだろうか。

権力者の歴史を振り返っている時に、ヤンが考えたこと。
誰もが理想的な社会を願っている。しかしそんな社会は歴史上存在しない。
なぜなら理想はそれぞれ違うから。そして理想は多数決では決まらない。
残念ながら、力のある人の理想が優先される。

自由惑星同盟

なに、べつに困っておらんよ。いまいましいだけだ。

大尉、これが民主主義の総本山の現状だよ。
まだ雨がふりはじめておらんが、雲の厚さたるやたいへんなものだ。
どうも加速度的に悪くなっとる。

軍部でも良識派のビュコック提督。
その提督がヤンの副官であるフレデリカに語ったこと。
良識派が追いやられ、利権派が力を持つ。
そして良識派はアピール下手で、利権派はアピール上手が多い。
国民はそれに惑わされず、より良い方を選択しないといけない。
しかし利権派により得をしているのも、また一部の国民である。

鼓舞

いいか、柄にもないことを考えるな。国を守ろうなんて、よけいなことを考えるな!
片思いの、きれいなあの娘のことだけを考えろ。生きてあの娘の笑顔を見たいと願え。
そうすりゃ嫉み深い神さまにはきらわれても、気のいい悪魔が守ってくれる。
わかったか!

艦載機スパルタニアンの撃墜王ポプランが、出撃前に部下に語ったこと。
闘いには意味が合っても、個人の闘いには意味がない。あるのは生か死の二択のみ。
個人にとっての勝利とは、生き残ることのみ。

悩み

まったく、それにしてもヤン・ウェンリーという男は、いればいたで、いなければいないで、どれほど帝国軍を悩ませることだろう。
「魔術師ヤン」とはよく言ったものだ...。

ヤンがイゼルローンにいるかいないかで悩んでいる、帝国軍の提督ミュラーが考えたこと。
ヤンがいれば強敵として、帝国軍の前に立ちはだかる。
ヤンがいなければ、「いるのでは?」と考えて帝国軍は行動を躊躇する。
そして相手にこの思考をさせることが、ヤンにとって有利に働く。
まったく味方なら頼もしいが、敵にすると手がつけられない。

宇宙

誤解するな、オーベルシュタイン。私は宇宙を盗みたいのではない。奪いたいのだ。

ラインハルトが宇宙を手に入れる方法を語ったこと。
盗むとは、相手に気づかれずに目的を果たすこと。
奪うとは、相手に気づかれながら力によって目的を果たすこと。
どちらも正しいわけではない。
ただ世間の評価は、まったく違うものになるだろう。

評価

気づいたな...だが、遅かった。

ヤンが敵のある行動を見た時に語ったこと。
読んだままであり、特に意味はない。ただちょっと、同じような状況で使いたい。

暗殺

...私を背後から刺し殺して、それですべてが手にはいると思う人間は、実行してみればいいんだ。
ただし、失敗したらどんな結果がもたらされるか、その点には充分な想像力をはたらかせてもらおう。

ラインハルトが自分の暗殺について語ったこと。
そのように考えるのは仕方ないが、実際に話すのは違和感がある。
少なくとも、それによって誰も幸せにはならない。

本心

本心だったさ、あのときはな。
だが、おれは生まれたときから正しい判断と選択のみをかさねて今日にいたったわけではない。

ロイエンタールがある不満に対して語ったこと。
ただこの時は酒の力が入っている。しかしだからこそ、本心なのかもしれないが。

4巻

要求

どうした、何をおどろく。なぜ返答せぬ。

交渉を迫ってきたフェザーンの弁務官に対し、ラインハルトが語ったこと。
この時ラインハルトは、予想外の要求を相手に提示している。
相手が判断に困る要求を提示した時、使ってみると面白いかも?
もちろん、こちらが圧倒的に有利なときだけですが。

赤ん坊

よかろう。その赤ん坊に玉座をくれてやろう。
子供の玩具としては多少おもしろみに欠けるが、そういう玩具を持っている赤ん坊が宇宙にひとりぐらいいてもいい。
ふたりは多すぎるがな。

7歳の皇帝が誘拐された。それに伴い新帝として、生後8ヶ月の赤ん坊を候補にしている。
それを承諾した時にラインハルトが語ったこと。
歴史ではよくある話だが、酷いことには変わらない。
ただラインハルトが言うと、なぜか違う感覚が生まれる。

組織

組織のなかにいる者が、自分自身のつごうだけで身を処することができたらさぞいいだろうと思うよ。

ヤンの部下に対して、予想外の異動が発生した。
その理不尽な件に関して、ヤンが語ったこと。
組織は絶対ではないが、多くの場合は反論できない。
または反論できても、変更されることは少ない。
組織とは楽であると同時に、自由さを縛られるところである。

発言

思うのは自由だが、言うのは必ずしも自由じゃないのさ。

自分の心の内を話さないヤンが語ったこと。
例えば、相手を「バカ」と思うことは自由である。
しかし、相手に「バカ」と言うのは自由ではない。
それに対する問題が発生する。
力が強い人は、この点が理解できていないことが多い。

政治体制

腐敗した民主政治と清潔な独裁政治のいずれをとるか、これは人類社会における最も解答困難な命題であるかもしれない。

一見、簡単な選択である。しかし本当にそうだろうか?
現代なら、多くの人が民主政治を選ぶだろう。しかし200年前の人ならどうだろうか?
このように考えると、絶対的な良し悪しではないのかもしれない。
ただ個人的には選択肢の無い専制政治より、選択肢の有る民主政治の方がましである。

理性と感情

やっかいなことになったものであった。
誰もが理性ではなく感情によって判断と選択をおこなおうとしていた。

感情による選択も大切な時がある。
しかし感情に流されては、よりよい選択は出来ない。
理性を持った選択こそが、将来につながることは確実である。
ただ残念ながら、人は感情による選択に心を寄せてしまう。

増長

まったく、世界は、こちらがおとなしくしていれば際限なく増長する連中で満ちみちているらしい。

ヤンの元にいるユリアンに対して、異動の辞令が送られてきた。
それに対して不満のあるヤンの心の声。
組織の権力者は、楽な人から変化を付けていく。
効率的とも言えるが、やられる方はたまらない。
静かな人の方が本当の意味では怖いのに、問題を先送りしてしまう。

善悪

絶対的な善と完全な悪が存在する、という考えは、おそらく人間の精神をかぎりなく荒廃させるだろう。
自分が善であり、対立者が悪だとみなしたとき、そこには協調も思いやりも生まれない。

人間は、自分が悪であるという認識に耐えられるほど強くはない。
人間が最も強く、最も残酷に、最も無慈悲になりうるのは、自分の正しさを確信したときだ。

世の中には完全な善悪は存在しない。存在するのは相対的な善悪である。
多くの人が自分を善と考える。
そして自分に危害を加える人物を悪と考えるだろう。
しかし相手にとっても、自分は善であり、相手は悪である。
それは犯罪者でも変わらない。
犯罪者は自分の行為に対して、何らかの理由を付けている。
もしくは親が悪い、社会が悪いと言い訳をする。
その結果、自分が行う行為は許されると考える。
大勢の人にとっては間違った考え方だが、その本人にとっては正しいことである。
しょせん現在の善悪など、多数決の結果に過ぎない。
ただ個人的な考えを言えば、全ての犯罪は悪である。

国家

国家なんてものは単なる道具にすぎないんだ。
そのことさえ忘れなければ、たぶん正気をたもってるだろう。

ユリアンが軍人としてフェザーンに異動になった時、ヤンが語ったこと。
軍人は国を守るものである。しかし正確には、国民を守るためにある。
しかし戦争においては、個人より国家が優先されることがある。
国家とは何だろうか?
人にとって絶対に必要だろうか?
人が生きることにおいて、国家は必ずしも必要はない。
必要なのは効率的なシステムである。
その結果が、現在では国となっている。
道具やシステムは人に使われないといけない。
道具やシステムが人より上であってはいけない。
こんな当たり前のことなのに、なかなか守ることが出来ない。

軍事と政治

軍事が政治の不毛をおぎなうことはできない。

軍事とは政治活動における一要素に過ぎない。
政治的な目的を達成する手段として、軍事が必要になる時がある。
けっして軍事活動のために政治があるのではない。
しかし残念ながら、軍事力という力を持ってしまうと、政治的な失敗を軍事活動で補おうと考えてしまう。

睡眠

敵だってまだ寝てるさ、後世の歴史家なんて、まだ生まれてもいないよ。
おやすみ、せめて夢のなかでは平和を...

寝起きのヤンが、起こそうとするユリアンに対して話したこと。
よくある光景だが、ヤンの性格がよく出ているのでピックアップしました。
日常生活では都合の良いヤンであった。

民主主義

民主主義の制度はまちがっておらん。
問題は、制度と、それをささえる精神が乖離していることだ。

堕落していく同盟の民主主義に対して、ビュコック提督が語ったこと。
制度が間違っていなくても、悪用することは可能である。
また民主主義は個人の力に頼らずに、みんなで考える必要がある。
その考えるという面倒くささを放棄した時、堕落が始まっていく。
国民の堕落により、政治の腐敗が始まる。
政治の腐敗により、国民が堕落していく。
どちらが正解だろうか?

はじまり

そうだ、終わりのはじまりだ、フロイライン。

同盟軍への侵攻を目指して、フェザーン占領を目指しているラインハルト。
その占領軍の出発時にラインハルトが語ったこと。
決めの言葉であり、詩的な感じですらある。
ただなぜか勇ましい感じがしないのは、隣にいる人物が違うためだろうか。

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