「銀河英雄伝説10巻(田中芳樹)」の名言・台詞まとめ

「銀河英雄伝説10巻(田中芳樹)」の名言・台詞をまとめていきます。

 

10巻 落日篇

→銀河英雄伝説1巻

第一章 皇紀誕生

「吉事は延期できるが、兇事はそうはいかぬ。まして国家の安寧にかかわりあること、陛下のご裁断がどう下るかはともかく、お耳に入れぬわけにはいかぬ」(パウル・フォン・オーベルシュタイン)

 

「筋がちがう。一方の罪を明らかにするため、他方の罪を免じるというのでは、そもそも法の公正がたもてないではないか」(ウルリッヒ・ケスラー)

 

第二章 動乱への誘い

政治的な要望と軍事的な欲求とは、しばしば背馳する。

 

「いま、遠慮なしにあんたが決断することこそ、期待にこたえる唯一の道じゃないかしら」(カーテローゼ・フォン・クロイツェル、通称:カリン)

 

「善政の基本というやつは、人民を飢えさせないことだぞ、ユリアン」

「餓死してしまえば、多少の政治的な自由など、何の意味もないからな。帝国の経済官僚たちは、さぞ青くなっているだろうよ。もしこれが帝国本土まで波及したら、と」(アレックス・キャゼルヌ)

 

「ユリアン、陰謀だけで歴史が動くことはありえないよ。いつだって陰謀はたくらまれているだろうが、いつだって成功するとはかぎらない」(ヤン・ウェンリー)

 

「負けるけんかは嫌いだ」(ダスティ・アッテンボロー)

 

「おれたちは変化を待っていた。いま変化がおこった。これに乗じて、変化の幅を大きくするのも、りっぱな戦略だ」(ワルター・フォン・シェーンコップ)

 

「時きたるというわけだ。果物にも、戦いにも、女にも、熟れごろがあるものさ」(オリビエ・ポプラン)

 

敵をして、その希望がかなえられるかのように錯覚させる。さらに、それ以外の選択肢が存在しないかのように、彼らを心理的に追いこみ、しかもそれに気づかせない。(ヤン)

 

「ま、いずれにしても明日、死ぬことができるのは、今日、生きのびることができるやつだけさ」(アッテンボロー)

 

「同情するふりをしてもらわなくて結構だ。エキジビジョン・ゲームは二流俳優にまかせて、名優は皇帝陛下御前興行に出演するさ」

「むろん、惑星ハイネセン奪還作戦に決まっている。そう遠くのことでもあるまい」(シェーンコップ)

 

第三章 コズミック・モザイク

「能ある者が味方ばかりでは、戦う身としてはりあいがなさすぎる。まして、ヤン・ウェンリーを失って、宇宙は寂寥を禁じえぬところだ」

「メルカッツ健在と聞けば、おれはむしろうれしさを感じる」(ウォルフガング・ミッターマイヤー)

 

「ね、ヒルダさん、おわかりいただけるでしょうか。弟は、過去をわたしと共有しています。でも、弟の未来は、あなたと共有されるものです。いえ、あなたたちと……」(アンネローゼ・フォン・グリューネワルト)

 

「カリン、この前はおめでとう。戦果にではなくて、生還したことによ」(フレデリカ・グリーンヒル)

 

「あたしだって子供です。自分でもよくわかってます。他人に言われると癪だけど、自分ではわかってるんです」(カリン)

 

「たとえば、こうよ。あなたが大きくなったとき、男の人に、わたしはあのことを知ってるわよ、と言っておやりなさい。みんな必ずぎくりとするでしょう。これが母さんの予言よ」(オルタンス・キャゼルヌ)

 

「ビッテンフェルト家には、代々の家訓がある、他人をほめるときは大きな声で、悪口をいうときはより大きな声で、というのだ」(フリッツ・ヨーゼフ・ビッテンフェルト)

 

「民主共和主義者とかいう奴らには、言いたいことを言わせておけばいいのさ。どうせ口で言っていることの1パーセントも実行できるわけではないからな」(ビッテンフェルト)

 

「うかがおう、ビッテンフェルト提督、ただし手みじかに、かつ理論的に願いたい」(オーベルシュタイン)

 

「軍事的浪漫主義者の血なまぐさい夢想は、このさい無益だ」
「100万の将兵の生命をあらたに害うより、1万たらずの政治犯を無血開城の具にするほうが、いくらかでもましな選択と信じる次第である」(オーベルシュタイン)

 

「実績なき者の大言壮語を、戦略の基幹にすえるわけにはいかぬ。もはや武力のみで事態の解決をはかる段階ではない」(オーベルシュタイン)

 

「その皇帝の誇りが、イゼルローン回廊に数百万将兵の白骨を朽ちさせる結果を生んだ」(オーベルシュタイン)

 

軍務尚書の主張は、おそらく正しい、だが、その正しさゆえに、人々の憎悪を買うことになるだろう。(アントン・フェルナー)

 

第四章 平和へ、流血経由

「予は誤ったようだ。オーベルシュタインは、いついかなる状況においても、公人としての責務を優先させる。そのあらわれかたこそが、他者に憎悪されるものであったのにな」(ラインハルト・フォン・ローエングラム)

 

「皇紀、予はオーベルシュタインを好いたことは、一度もないのだ。それなのに、顧みると、もっとも多く、おの男の進言にしたがってきたような気がする」

「あの男は、いつも反論の余地を与えぬほど、正論を主張するからだ」(ラインハルト)

 

「彼女たち(宮廷の美女)は、皮膚はまことに美しいが、頭蓋骨のなかみはクリームバターでできている。おれはケーキを相手に恋愛するつもりはない」(ラインハルト)

 

「毒なんぞ、とうに免疫になっておるさ。おれはオーベルシュタインの奴と何年もつきあってきたからな」(ビッテンフェルト)

 

「オーベルシュタインに私心がないことは認める。認めてやってもいい。だが、奴は自分に私心がないことを知って、それを最大の武器にしていやがる」
「おれが気にくわんのは、その点だ」(ビッテンフェルト)

 

第五章 昏迷の惑星

「独身者だけの楽しいパーティーに、妻帯者をまぜるわけにはいかんからね」(シェーンコップ)

 

「ジグソー・パズルを完成させるにしても、片がもともと不足しているのさ」(ポプラン)

 

「彼らが信じたくないなら、信じる必要はないのです。吾々は、ただ事実を話すだけで、解釈の自由は先方にあります」(ユリアン・ミンツ)

 

「おれが思うにだ、季節の変わり目には、かならず嵐があるものだ。それも、変わったと思いこんだ後に、大きな奴がな」(ビッテンフェルト)

 

第六章 柊館炎上

「それらが非民主的な手段によるものであったことは、この際、問題にならない。帝国の民衆は、民主的な手つづきなど欲していなかったからである」(ユリアン)

 

第七章 深紅の星路

「戦術レベルにおける偶然は、戦略レベルにおける必然の、余光の破片であるにすぎない」(ヤン)

 

「後世の歴史家って人種は、流される血の量を、効率という価値基準で計測しますからね」

「たとえ宇宙が統一されるまでに、さらに1億人が死んだとしても、彼らはこう言うでしょうよ。たった1億人しか死なずに、宇宙の統一は完成された、大いなる偉業だ、とね」(ユリアン)

 

「彼らが兵をもって挑んでくるのであれば、こちらにそれを回避すべき理由はない。もともと、そのためにこそ親征してきたのだ」(ラインハルト)

 

「戦わずして後悔するより、戦って後悔する」(ラインハルト)

 

「戦うにあたり、卿らにあらためて言っておこう。ゴールデンバウム王朝の過去はいざ知らず、ローエングラム王朝あるかぎり、銀河帝国の軍隊は、皇帝がかならず陣頭に立つ」

「予の息子もだ。ローエングラム王朝の皇帝は、兵士たちの背中に隠れて、安全な宮廷から戦争を指揮することはせぬ」

「卿らに誓約しよう、卑怯者がローエングラム王朝において至尊の座を占めることは、けっしてない、と……」(ラインハルト)

 

「冗談の一言は、血の一滴」(ポプラン)

 

「相手の予測が的中するか、願望がかなえられるか、そう錯覚させることが、罠の成功率を高くするんだよ。落とし穴の上に金貨を置いておくのさ」(ヤン)

 

「ぼくも同行するか、でなければ作戦自体を裁可しないかです。ぼくの目的は、皇帝ラインハルトと談判することで、殺害することではありません」

「そこのところを、まちがえないでください」(ユリアン)

 

「……OK、ユリアン、先に皇帝と対面したほうが、やりたいようにやるさ。礼儀正しく話しかけるか、あの豪奢な黄金色の頭に、戦斧を振りおろして、大きな紅玉に変えるか」(シェーンコップ)

 

「いや、屍体はひとつでいい。ラインハルト・フォン・ローエングラムの屍体だけでな。この世でもっとも美しく貴重な屍体ではあるが……」(シェーンコップ)

 

第八章 美姫は血を欲す

「それとも、いわゆる専制君主の慈悲や、その臣下の協力がなければ、ここへ至る力もないというのでは、何を要求する資格もあるまい」

「すべて、その者が姿を予の前にあらわしてからのことだ」(ラインハルト)

 

「皇帝ラインハルトとの戦いで死ねるのだ。せっかく満足して死にかけている人間を、いまさら呼びもどさんでくれんかね。またこの先、いつこういう機会が来るかわからん」(ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツ)

 

「むろん、そのつもりさ。ものわかりの悪い父親になって、娘の結婚をじゃまするという楽しみができたからな。さあ、さっさと行ってしまえよ、時間がない」(シェーンコップ)

 

「銀河帝国の皇帝ともあろう者が、客人に会うのに、服装をととのえぬわけにはいくまい。たとえ招かれざる客であってもな」(ラインハルト)

 

「さて、誰が名誉を背負うのだ? ワルター・フォン・シェーンコップが生涯で最後に殺した相手、という名誉をな」(シェーンコップ)

 

「ワルター・フォン・シェーンコップ、37歳、死に臨んで言い残せり──わが墓碑に銘は要らじ、ただ美女の涙のみ、わが魂を安らげん、と」(シェーンコップ)

 

「ローエングラム王朝が、病み疲れ、衰えたとき、それを治癒するために必要な療法を、陛下に教えてさしあげます。虚心にお聞きください」

「そうしていただければ、きっとわかっていただけます、ヤン・ウェンリーが陛下に何を望んでいたか……」(ユリアン)

 

第九章 黄金獅子旗に光なし

「ありがとう、あなた、わたしの人生を豊かにしてくださって」(フレデリカ)

 

「オリビエ・ポプラン、宇宙暦771年15月36日生まれ、801年6月1日、美女たちの涙の湖で溺死、享年29歳。ちゃんと自分で墓碑銘まで撰したのに、死文になってしまって残念ですよ」(ポプラン)

 

「何よ、5回や6回殺されたってすぐに復活するような表情してたくせに。何で死んじゃうのよ。あいつに復讐してやるつもりだったのに」

「そうよ。わたしの産んだ赤ん坊を目の前に突きつけて、あんたの孫よ、お祖父ちゃん、と言ってやるつもりだったのに。それがあの不良中年には、一番効果的な復讐だったのに……」(カリン)

 

「民主主義って、すてきね」
「だって、伍長が中尉さんに命令できるんだもの。専制政治だったら、こうはいかないわ」(カリン)

 

「しかし何だな、人間、いや人間の集団という奴は、話しあえば解決できるていどのことに、何億リットルもの血をながさなきゃならないのかな」

「さあな、おれには論評する資格はない。なにしろおれは伊達と酔狂で血を流してきた張本人のひとりだからな」(アッテンボロー)

 

「予はフェザーンに帰る。予を待っていてくれる者たちが幾人かいるのでな。最後の旅をする価値があるだろう」(ラインハルト)

 

第十章 夢、見果てたり

「夢を見ていました、姉上……」
「……いえ、もう充分に見ました。誰も見たことのない夢を、充分すぎるほど」(ラインハルト)

 

「皇帝はもはやご逝去をまぬがれぬ。だがローエングラム王朝はつづく。王朝の将来にそなえ、地球教の狂信者どもを根絶する。そのために陛下にご協力いただいただけのことだ」(オーベルシュタイン)

 

「こんな場所でこんなことをするなんて、つい50日前には想像もしなかった。生きてると退屈しないでいいな」(ポプラン)

 

「勘ちがいしないでほしいな。ぼくは、ローエングラム王朝の将来に何の責任もない。ぼくがきさまを殺すのは、ヤン・ウェンリーの讐だからだ。そう言ったのが、聴こえなかったのか」

「それに……パトリチェフ少将の讐。ブルームハルト中佐の讐。他のたくさんの人たちの讐だ。きさまひとりの生命でつぐなえるものか!」(ユリアン)

 

「助からぬものを助けるふりをするのは、偽善であるだけでなく、技術と労力の浪費だ」(オーベルシュタイン)

 

「帝国などというものは、強い者がそれを支配すればよい。だが、この子に、対等の友人をひとり残してやりたいと思ってな」(ラインハルト)

 

「皇帝は病死なさったのではありません。皇帝は命数を費いはたして亡くなったのです。病に斃れたのではありません。どうかそのことを、皆さん、忘れないでいただきとう存じます」(ヒルデガルド・フォン・マリーンドルフ、通称:ヒルダ)

 

「いいか、早死するんじゃないぞ。何十年かたって、おたがいに老人になったら再会しよう。そして、おれたちをおいてきぼりにして死んじまった奴らの悪口を言いあおうぜ」(ポプラン)

 

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

 

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