「銀河英雄伝説7巻(田中芳樹)」の名言・台詞まとめ

「銀河英雄伝説7巻(田中芳樹)」の名言・台詞をまとめていきます。

 

7巻 怒濤篇

→銀河英雄伝説1巻

第一章 黄金獅子旗の下に

「皇帝は自らの生命と生涯によって自らを表現した。彼は詩人であった。言葉を必要としない詩人であったのだ」(エルネスト・メックリンガー)

 

「去年のワインのまずさをなげくより、今年植える葡萄の種について研究しよう。そのほうが効率的だ」(ラインハルト・フォン・ローエングラム)

 

「予はむしろこの際、ヤン・ウェンリーと同盟政府との間隙を利用し、あの異才を予の麾下にまねきたいと思っている。軍務尚書の考えはどうか」(ラインハルト)

「それもよろしいでしょう。ただ、その上は、ヤン・ウェンリーをして自由惑星同盟の命脈をたたせること、これが条件となるやに思えますが」(パウル・フォン・オーベルシュタイン)

 

「それにしても、ヤン・ウェンリーひとりを容れることもできない民主政治とは、なんと偏狭なものではないか」(ラインハルト)

 

「陛下、問題は制度よりむしろそれを運用する人間にありましょう。陛下の英才がゴールデンバウム王朝の容れるところとならなかった、つい先日の例をお考えください」(ウォルフガング・ミッターマイヤー)

 

 

「次官の職責は尚書につぐものだ。卿の才幹がシルヴァーベルヒをしのぐものであれば、彼ではなく卿を尚書に任じたであろう。卿は恭謙にして自分自身を知る。それでよし」(ラインハルト)

 

「いっそヤン・ウェンリーに、反皇帝勢力を糾合統一させてしまえばよい。しかる後にヤンを処断すれば、一撃で火山脈は絶ちきれる」

「熔岩がいくら流れ出ようと、冷えきって無力になるだけではないか」(フリッツ・ヨーゼフ・ビッテンフェルト)

 

「心配するな、ミッターマイヤー。いちおうおれも武門の男だ。滅びるなら剣に滅びる。女に滅んだりはせぬよ」(オスカー・フォン・ロイエンタール)

 

「陛下がこれまで常勝を誇られたゆえんは、歴史を動かしていらしたことにあります。今回にかぎり、御手をつかねて歴史に動かされるのをお待ちになるのですか」(ビッテンフェルト)

 

「ビッテンフェルトの言やよし。予は考えすぎた。大義名分の最大にして至高なるものは、宇宙の統一である」(ラインハルト)

 

「予に居城など必要ない。予のあるところがすなわち銀河帝国の王城だ。当分は戦艦ブリュンヒルトが玉座の置きどころとなろう」(ラインハルト)

 

第二章 すべての旗に背いて

「宇宙はひとつの劇場であり、歴史は作者なき戯曲である」(ヤン・ウェンリー)

 

「最高指導者は文民でなくてはならない。軍人が支配する民主共和制など存在しない。私が指導者なんかになってはいけないんだ」(ヤン)

 

「さあてね、両手に贈物をかかえたところにナイフを突き出されたら、よけようがないからね」(ヤン)

 

「ユリアン、お前さんは何でもよくできるがな、注意しろよ、戦略戦術はヤン・ウェンリーにおよばず、白兵戦技はワルター・フォン・シェーンコップにおよばず、空戦技術はオリビエ・ポプランにおよばず、なんてことになったら、器用貧乏ということばの生きた見本になってしまうからな」

「だからな、ユリアン、せめて色事ぐらいはおれを上まわるよう努力しろや」(オリビエ・ポプラン)

 

「私が問題にしているのは兵士たちの心情です。あなたの見解ではありません」(チュン・ウー・チェン)

 

「わしはヤン提督とちがって、50年以上も同盟政府から給料をもらってきた。いまさら知らぬ顔を決めこむわけにもいかんでな」(アレクサンドル・ビュコック)

 

「ふむ、残念だな。30歳以下の未成年は、今回、同行することはできんよ。これはおとなだけの宴会なのでな」(ビュコック)

 

「……皇帝ラインハルトは、貴官やわしを戦争犯罪人として処断しなかった。個人的には恩義すらあるが、あえてそれに背こう」

「こんなだらしない国に、若い者はこだわる必要もないが、わしはもう充分に生きた」(ビュコック)

 

「イゼルローンに帰るか……」(ヤン)

 

第三章 「神々の黄昏」ふたたび

「フロイライン・マリーンドルフは、ものごとの道理をよくわきまえている。密告などを予が喜ぶものと思っている輩には、よい教訓になったろう」(ラインハルト)

 

「他人を非難しおとしいれることで自己の栄達をはかろうとする風潮に、先制の一撃を加えていただきたいのですけど」(ヒルデガルド・フォン・マリーンドルフ、通称:ヒルダ)

 

「この策がおそらく成功した後で陛下の後味がお悪くなりましょう。正面から同盟軍を撃砕することを、お望みなのでしょうから」(ヒルダ)

「フロイライン・マリーンドルフは、人の心を映す銀の鏡を持っているようだな」(ラインハルト)

 

「ですけど、あたしたちが策を弄せずとも、崩壊に直面して人心の動揺するところ、かならず、こちらの求めもしない商品を売りつけにくる者がいるでしょう」(ヒルダ)

 

「皇帝の本領は果断速行にある。座して変化を待つのは、考えてみれば皇帝にふさわしくない」(オーベルシュタイン)

 

「そのときは、おれもろとも惑星ハイネセンを吹きとばせ。積年の混乱は、大半がそれで一掃される」(カール・ロベルト・シュタインメッツ)

 

「わざわざこのような書類をつくる必要があるのですか。形式も度がすぎるように小官には思われますが」(ムライ)
「わからないかね? むろんジョークだよ」(チェン)

 

「ジョークとおっしゃるなら、それでけっこうですが、帝国軍に対して戦力を糾合せねばならないときに、このだけの艦艇と物資をさいたのでは、帝国軍の侵攻に対処しえないのではありませんか」(ムライ)

「どうせ糾合しても対処しえないよ」(チェン)

 

「ムライ中将、本心をいつわっている余裕はない。時間を浪費することなく、最善の道を行くとしよう」(エドウィン・フィッシャー)

 

「ランテマリオ会戦で敗れたとき、わしは死ぬべき身だった。貴官に説得されて半年ほど永らえることになったが、結局のところ命日が移動するだけのことだな」

「いや、おかげで多少は女房孝行ができたか」(ビュコック)

 

「ヤン・ウェンリーは何かと欠点の多い男ですが、何者も非難しえない美点をひとつ持っています」

「それは、民主国家の軍隊が存在する意義は民間人の生命を守ることにある、という建前を本気で信じこんでいて、しかもそれを一度ならず実行しているということです」(チェン)

 

「ヤンが敗北するとしたら、それはラインハルト・フォン・ローエングラムの偉大な天才によってではない。それはヤン自身の、理想へのこだわりによってだろう」(ビュコック)

 

第四章 解放・革命・謀略その他

「なに、いったん借りれば、こちらのものだ。フェザーン人は利にさとい。おれたちに皇帝ラインハルトを打倒する可能性ありとみなせば、かならず将来にそなえて投資してくる」

「そしてひとたび投資すれば、それをむだにしないためにも、つづけて投資せざるをえない。先に投資した資金、それ自体が双方のつながりを増大させる最初の一滴になる」(アレックス・キャゼルヌ)

 

「美人局の成功は、女性の魅力しだいだな」(キャゼルヌ)

 

「鷹と雀では視点がちがう。金貨の一枚は、億万長者にとってとるにたりないが、貧乏人には生死にかかわるさ」(ヤン)

 

「全人類の数が400億人、そのうち半数が女。うち半数が年齢制限にひっかかり、さらにまた半数が容姿で落第するとしても、50億人は恋愛の対象になりますからな」

「一秒でも惜しんでいられません」(ポプラン)

 

「性格の良い女はアッテンボロー提督にまかせますよ。おれは性格が悪いほうの半分を引きうけてあげますからね」(ポプラン)

 

「いいか、ポプラン中佐、心得ちがいをするなよ。おれたちは伊達や酔狂でこういう革命をやっているんだからな」(ダスティ・アッテンボロー)

 

「いずれ必ず枯れるからといって、種をまかずにいれば草もはえようがない。どうせ空腹になるからといって、食事をしないわけにもいかない」(ヤン)

 

第五章 蕩児たちの帰宅

「美人か?」
「美人だったら、おれの娘だ。そうでなかったら同姓同名の別人だ」(ワルター・フォン・シェーンコップ)

 

「おれに言わせれば、問題はカリンが不幸なことじゃない。自分は不幸だとカリンが思いこんでいることさ」(ポプラン)

 

「不愉快だな、どうも」
何がって、地球といいここといい、床に足をつけて闘うことに慣らされてしまった。こんなに不愉快なことがまたとあるか」(ポプラン)

 

「ぼくたちはヤン・ウェンリーに頼りきっていた。彼が不敗であることはむろんのこと、不死であるとすら信じていた」(ユリアン・ミンツ)

 

第六章 マル・アデッタ星域の会戦

「老いてなお気骨ある者は賞すべきかな」(ナイトハルト・ミュラー)

 

「言うは易し、だ。卿らのいう白髪の老将に、卿らこそ手玉にとられるなよ」(ロイエンタール)

 

「卿の進言は誤っていない。だが、歴戦の老提督がおそらくは死を賭しての挑戦、受けねば非礼にあたろう」
他にも理由がないわけではないが、予と予の軍隊にとってはそれで充分のはずだ」(ラインハルト)

 

「この一戦に意味があるとすれば、理性の面ではなく感情の面においてだな」

「老いた獅子と若い獅子とが、ともに戦いを望んでいる。名誉がそれに色どりをそえることになろうが、結局のところ、抜かれた剣は血ぬられずして鞘におさまるものではないさ」(ロイエンタール)

 

「おれにはわかる。卿にもわかっているはずだ。歴史というやつは、人間同様、眠りからさめるとき咽喉をかわかしている。ゴールデンバウム王朝はすでに滅びた」

「自由惑星同盟も今日までは生きながらえたが、明日には滅びる。歴史は大量の血を飲みほしたがっている」(ロイエンタール)

 

「だが、おれは思うのだ。歴史が血を飲みあきたとしても、それは量だけのこと。質的にはどうかな。犠牲は高貴なほど、残忍な神に喜ばれるものだし……」(ロイエンタール)

 

「いずれにしても、この戦いは儀式というべきだ。自由惑星同盟の葬列にたむけるためのな。この形式を踏まねば、生者も死者も、滅亡の事実を受けいれることはできぬだろう」(ロイエンタール)

 

「それにしても、わし自身はともかく、多くの者を死なせることになるな。いまさらではないが罪深いことだ」(ビュコック)

 

「考えてみると、わしは多分、幸福者だろう。人生の最後に、ラインハルト・フォン・ローエングラムとヤン・ウェンリーという、ふたりの比類なく偉大な用兵家に出会うことができた」

「そして、ふたりのうちいずれかが傷つき倒れる光景を見ないですむのだからな」(ビュコック)

 

「あれはあれでよい。ビッテンフェルトが自重に度をすごすようなことがあれば、黒色槍騎兵の長所をかえって殺ぐことになろう」(ラインハルト)

 

「敗敵に手をさしのべるのは勝者の器量をしめすもの、それを受けいれぬ敗者こそが狭量なのですから」(ヒルダ)

 

「わしはあなたの才能と器量を高く評価しているつもりだ。孫を持つなら、あなたのような人物を持ちたいものだ。だが、あなたの臣下にはなれん」

「ヤン・ウェンリーも、あなたの友人にはなれるが、やはり臣下にはなれん。他人ごとだが保証してもよいくらいさ」

「なぜなら、えらそうに言わせてもらえば、民主主義とは対等の友人をつくる思想であって、主従をつくる思想ではないからだ」(ビュコック)

 

「わしはよい友人がほしいし、誰かにとってよい友人でありたいと思う。だが、よい主君もよい臣下も持ちたいとは思わない」

「だからこそ、あなたとわしは同じ旗をあおぐことはできなかったのだ。ご好意には感謝するが、いまさらあなたにこの老体は必要あるまい」

「……民主主義に乾杯!」(ビュコック)

 

「お前は予などよりずっと気宇が大きいな。予には銀河系だけで充分だ。他の星雲はお前が征服するといい」(ラインハルト)

 

第七章 冬バラ園の勅令

「陛下、お急ぎになることはありません。堂々として同盟首都にお近づきあれば、その圧力のみで同盟政府は潰えましょう」(ヒルダ)

 

「黒色槍騎兵に退却の二字なし」(ビッテンフェルト)

 

「不満か。卿の忠誠心は貴重だが、度をすぎればそれが予をルドルフにするぞ」(ラインハルト)

 

「卿らのためにさく時間は、予には貴重すぎる。ひとつだけ聞いておこう。卿らがことをおこなったとき、卿らの羞恥心はどの方角をむいていたのか」(ラインハルト)

 

「前王朝ならいざ知らず、ローエングラム王朝には裏切者を保護すべき法はない。無益な哀願をするな」(アーダルベルト・フォン・ファーレンハイト)

 

「……フロイラインの予言したとおりだった。腐肉を食う輩は、自分の嗜好で他人を量るものらしいな」(ラインハルト)

 

「たぶん人間は自分で考えているよりもはるかに卑劣なことができるのだと思います。平和で順境にあれば、そんな自分自身を再発見せずにすむのでしょうけど……」(ヒルダ)

 

「……奴らが下水の汚泥とすれば、マル・アデッタで死んだ老人はまさに新雪だったな」

「不死鳥は灰のなかからこそよみがえる。生焼けでは再生をえることはできぬ。あの老人は、そのことを知っていたのだ。奴らを処断して、ヴァルハラであの老人にわびさせよう」(ラインハルト)

 

「りっぱな男たちだ。そのような男たちが中堅以下の地位にとどまっているようだからこそ、同盟は滅びたのだ。その者たちに危害を加えてはならぬ」

「さしあたり従順な者たちだけを登用して政務を担当させよ」(ラインハルト)

 

第八章 前途遼遠

「吉報はひとりでしか来ないが、兇報は友人をつれて来る」(アレックス・キャゼルヌ)

 

「ピクニックが研修旅行になってしまった」(アッテンボロー)

 

「当然です。あなたが自分ひとり地位を守って友人を見すてるような人なら、わたしはとうに離婚していましたよ」

「自分の夫が友情にうすい人間だったなんて子供に言わなきゃならないのは、女として恥ですからね」(オルタンス・キャゼルヌ)

 

「さあ、あなた、ヤンご夫妻をお呼びしてくださいな。生きている人間は、死んだ人の分まできちんと食べなきゃなりませんからね」(オルタンス)

 

皇帝ラインハルトには多くの忠実な臣下がいる。メルカッツにもせめて自分ひとりぐらいいてもいいではないか……(ベルンハルト・フォン・シュナイダー)

 

「非常の時である。非常の策を用いてしかるべし」
「信念など有害無益のものだと他人にはお説教しておきながら、ご本人の頑固なこと。言行不一致とはこのことだな」(シェーンコップ)

 

「愛してもいない女を抱くには、人生は短すぎるだろうな」
「愛してもいない男に抱かれるにも、人生は短すぎるだろうよ」(シェーンコップ)

 

「おれのことを不良中年だと言ってまわっているそうだが、おれはまだ中年じゃない」(シェーンコップ)

 

「順当にいけば、シェーンコップの不良中年は、お前さんより20年早くくたばる。墓石と仲なおりしたって意味があるまい」(ポプラン)

 

「それでは彼らは自分自身の処刑命令書にサインしたことになる。皇帝ラインハルトは彼らの醜行をけっして赦さないだろうよ」(ヤン)

 

「陰謀やテロリズムでは、結局のところ歴史の流れを逆行させることはできない。だが、停滞させることはできる」
「地球教にせよ、アドリアン・ルビンスキーにせよ、そんなことをさせるわけにはいかない」(ヤン)

 

「ユリアン、吾々は軍人だ。そして民主共和政体とは、しばしば銃口から生まれる。軍事力は民主政治を産み落としながら、その功績を誇ることは許されない」

「それは不公正なことではない。なぜなら民主主義とは力を持った者の自制にこそ真髄があるからだ」

「強者の自制を法律と機構によって制度化したのが民主主義なのだ。そして軍隊が自制しなければ、誰にも自制の必要などない」(ヤン)

 

「自分たち自身を基本的には否定する政治体制のために戦う。その矛盾した構造を、民主主義の軍隊は受容しなくてはならない」

「軍隊が政府に要求してよいのは、せいぜい年金と有給休暇をよこせ、というくらいさ。つまり労働者としての権利。それ以上はけっして許されない」(ヤン)

 

第九章 祭りの前

「おれは帝国元帥の称号を陛下よりたまわり、帝国宇宙艦隊司令長官という過分な地位もいただいた」

「だが、どれほど高位につこうとも、友人と会うことすらままならぬのでは、一庶民にもおとるではないか」(ミッターマイヤー)

 

「自分ことオスカー・フォン・ロイエンタールが武力と権力にまかせて略奪暴行をこととし、人民を害しているなどと噂されるのであれば、これは自分にとって最大の恥辱である」

「反逆して帝座をねらうと言われるのは、むしろ乱世の武人にとって誇りとするところ」(ロイエンタール)

 

「……しかしながら皇帝ラインハルト陛下が先王朝において元帥府を開設されて以来、自分は一日の例外もなく陛下が覇業をなされるに微力をつくしてきた」

「その点についていささかも心にやましいところはない」(ロイエンタール)

 

「ミッターマイヤー、そのくらいにしておけ。卿の口は大軍を叱咤するためにあるもの。他人を非難するのは似合わぬ」(ラインハルト)

 

「そちら(祝福)は完全な嘘偽です。あの女が妊娠したことを私は存じませんでした。存じていれば……即座に堕胎させておりました。この点、うたがう余地はございません」

「私には人の親となる資格がないからです、陛下」(ロイエンタール)

 

「私を失望させるなよ。卿の任務は国内の敵を監視して王朝を安泰せしめるにある」

私怨をもって建国の元勲を誣告し、かえって王朝の基礎を弱めたりしては、不忠のはなはだしいものになろう。こころえておくことだ」(オーベルシュタイン)

 

「だが、歴史は無数の実例をもって吾々に教示する」

「能力も識見もない単なる陰謀家が、しばしば、自分よりはるかに有能な、あるいは偉大な人物を底なし沼につきおとし、その相手だけでなく時代そのものの可能性を沈めさってしまうことを……」(メックリンガー)

 

「ここに宣言する。予はヤン・ウェンリーを予の前にひざまずかせぬかぎり、オーディンはおろかフェザーンへも帰らぬことを……」(ラインハルト)

 

「たしかに修復したかに見えるな。だが、皇帝がロイエンタールに与えた地位と戦力は、一臣下には巨大すぎるものだ。すくなくとも軍務尚書オーベルシュタインなどはそう思うだろう」

「亀裂は隠れただけで、けっして消えてはいない」(アドリアン・ルビンスキー)

 

「金髪の孺子も、前進と上昇だけが奴の人生でないとさとるだろう。奴の権勢は拡大の一方で空洞化しつつある。奴は膨張する風船の上に立っているのだ」(ルビンスキー)

 

「どうだ、ドミニク、ひとつ私の子供を産んでみないか」(ルビンスキー)
「あなたに殺させるために? ごめんこうむるわ」(ドミニク・サン・ピエール)
「……そうではない、ドミニク。私を殺させるためにさ」(ルビンスキー)

 

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

 

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