「銀河英雄伝説6巻(田中芳樹)」の名言・台詞まとめ

「銀河英雄伝説6巻(田中芳樹)」の名言・台詞をまとめていきます。

 

6巻 飛翔篇

→銀河英雄伝説1巻

第一章 キュンメル事件

「人間の数だけ誤解の種があるというからな」(フランツ・フォン・マリーンドルフ)

 

「用心すれば死なずにすむのか? 病気になれば、その影武者が私のかわりに病原菌を引きうけてくれるとでもいうのか。二度とらちもないことを言うな」(ラインハルト・フォン・ローエングラム)

 

「ここで卿のために殺されるなら、予の命数もそれまでだ。惜しむべき何物もない」(ラインハルト)

 

「ケスラー、卿が生命をねらわれたとする。犯人をとらえたとして、犯人が所持している凶器を卿は処罰するか?」(ラインハルト)

 

お前とともに、強大な敵と戦うのは楽しかった。だが、自分がもっとも強大な存在になってしまった今、おれはときどき自分自身を撃ちくだいてしまいたくなる。

世のなかは、もっと強大な敵に満ちていてよいはずなのに。(ラインハルト)

 

第二章 ある年金生活者の肖像

「仕事をせずに金銭をもらうと思えば忸怩たるものがある」

「しかし、もはや人殺しをせずに金銭がもらえると考えれば、むしろ人間としての正しいありかたを回復しえたと言うべきで、あるいはけっこうめでたいことかもしれぬ」(ヤン・ウェンリー)

 

「せっかく軍隊という牢獄から脱出しながら、結婚というべつの牢獄に志願してはいるとは、あなたも物ずきな人ですな」(ワルター・フォン・シェーンコップ)

「独身生活10年でさとりえぬことが、一週間の結婚生活でさとれるものさ。よき哲学者の誕生を期待しよう」(アレックス・キャゼルヌ)

 

「同盟の奴らが私を害せると思うならやってみるがいい。私は不死身ではないが、私の死は同盟にとっても、滅亡を意味するのだ」(ヘルムート・レンネンカンプ)

 

「誰しも給料に対しては相応の忠誠心をしめさなくてはなりませんからね。私もそうでした。あれは紙でなくじつは鎖でできていて人をしばるのですよ」(ヤン)

 

「吾々は敵の堕落を歓迎し、それどころか促進すらしなくてはならない。情けない話じゃないか。政治とか軍事とかが悪魔の管轄に属することだとよくわかるよ」

「で、それを見て神は楽しむんだろうな」(ヤン)

 

「いいじゃありませんか。あのご夫婦にはね、小市民的家庭なんて舞台は狭すぎるんですよ。だいたい地面に足をつけてるのが誤りなのね」

「まあ遠からず、いるべき場所へ飛びたっていくでしょう」
「あら、わたしは予言しているんじゃありませんよ。わたしは知っているんですよ」(オルタンス・キャゼルヌ)

 

「信念とは、あやまちや愚行を正当化するための化粧であるにすぎない。化粧が厚いほど、その下の顔はみにくい」(ヤン)

 

「信念のために人を殺すのは、金銭のために人を殺すより下等なことである。なぜなら、金銭は万人に共通の価値を有するが、信念の価値は当人にしか通用しないからである」(ヤン)

 

第三章 訪問者

「運命は年老いた魔女のように意地の悪い顔をしている」(ヤン)

 

圧倒的な武力とは、人間のもつ本能の最悪の部分と共鳴して、その濫用をうながす。

 

「野に火を放つのに、わざわざ雨季を選んでする必要はない、いずれかならず乾季がくるのだから」(ヤン)

 

「(レンネンカンプは)優秀な、そう優秀といってよい軍人だ。上には忠実だし、部下には公平だ。だが、軍隊から一歩でも外にある風景が見えないかもしれない」(ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツ)

 

「ところで地球には女がいるかな」
「おっと、おれが言っているのは生物学上の女のことじゃない。成熟した、男の価値のわかる、いい女のことだ」(オリビエ・ポプラン)

 

「問題にさせるんだ。時間もつくるんだよ。お前さん、せっかくいい顔に生まれついたのに、資源を死蔵することはない」

「ヤン提督みたく、ぼけっとすわっていたら美女がむこうから近づいてくるなんて例は、100万にひとつもありはせんのだからな」(ポプラン)

 

「パターンこそ永遠の真理なんだ。知らんのか」(ポプラン)

 

「それにしても……おれが思うに、地球教とやら称する連中が愛しているのは、地球という惑星それ自体ではないな」

「奴らは地球をだしにして、自分たちの先祖が持っていた特権を回復したいだけだ。ほんとうに地球そのものを愛していたなら、戦争や権力闘争に巻きこまれるようなことをするものか」(ポプラン)

 

第四章 過去、現在、未来

「オーベルシュタイン家が断絶したところで、世人は嘆きますまい。ですが、ローエングラム王家はさにあらず」

「王朝が公正と安定をもたらすかぎりにおいては、人民はその存続する保障を血統に求め、陛下のご成婚と皇嗣のご誕生を祝福いたしましょう」(パウル・フォン・オーベルシュタイン)

 

「だが結婚すれば子が生まれる。皇太子とは忌むべきナンバー2とは言えないかな」(ラインハルト)
「それはよろしいのです。王朝の存続を制度的にも保障するものですから」(オーベルシュタイン)

 

「烏合の衆は、結束のために英雄を必要とする。同盟の過激派、原理派がヤン・ウェンリーを偶像視するのは無理からぬことだ」(オーベルシュタイン)

 

「奴は生きるに際して他人の尊敬や愛情など必要とせぬよ。そして、そういう輩ほど、根の張りようは深く、茎は太い。寄生木とはそういうものだろう」(オスカー・フォン・ロイエンタール)

 

「昔は知らなかった。いまは知っている」
「そうだ。おれが教えた」(ロイエンタール)

 

「無益なこととわかるまでは、おれも正常だ。その後がどうもゆがんでいる」
「ゆがんでいる。わかっているのだ……」(ロイエンタール)

 

「そんな生活のどこに正義がある? 貴族とは制度化された盗賊のことだ」(ロイエンタール)

 

「この世でもっとも醜悪で卑劣なことはな、実力も才能もないくせに相続によって政治権力を手にすることだ。それにくらべれば、簒奪は一万倍もましな行為だ」

「すくなくとも、権力を手に入れるための努力はしているし、本来、それが自分のものでないことも知っているのだからな」(ロイエンタール)

 

「皇帝はおれより9歳も若いのに、自らの力で全宇宙を手に入れた」

「おれはゴールデンバウムの皇室や大貴族どもに反感をいだきながら、王朝それ自体をくつがえそうというまでの気概を持つことはできなかった。あの方におれがおよばぬ所以だ」(ロイエンタール)

 

第五章 混乱、錯乱、惑乱

「同盟内の反帝国強硬派を激発させるためには、まずヤン・ウェンリーが無実で逮捕されることが必要なのだ。それでこそ反帝国派を怒らせ、暴走させることができる」

「多少の強引さも、ときにはよかろう」(オーベルシュタイン)

 

「犬には犬の餌、猫には猫の餌が必要なものだ」
「道を切りひらく者とそれを舗装する者とが同一人であらねばならぬこともなかろう」(オーベルシュタイン)

 

「現在でも、その考えは変わらぬ。だが、手をつかねて傍観していれば、目的の上からは退歩するとあれば、次善として積極策をとらざるをえんではないか」(オーベルシュタイン)

 

「レンネンカンプは生きていても元帥にはなれん男だ。だが殉職すれば元帥に特進できよう。何も生きてあることだけが国家に報いる途ではない」(オーベルシュタイン)

 

「戦争の90パーセントまでは、後世の人々があきれるような愚かな理由でおこった。残る10パーセントは、当時の人々でさえあきれるような、より愚かな理由でおこった」(ヤン)

 

「心配しなくてもいいよ。何の罪やら見当もつかないが、まさか裁判なしで死刑にもしないだろう。ここは民主主義国家だ。すくなくとも政治家たちはそう言っている」(ヤン)

 

「そういつも、いつまでも、おとなしく言いなりになっていると思ったら、大まちがいよ。一方的になぐりつづけていても、いつか手が痛くなるわ。見ていてごらんなさい」(フレデリカ・グリーンヒル)

 

「この罠の悪辣さは、罠と知りつつしたがうより他に対応のしようがないという点にあると見るべきだろう」(シェーンコップ)

 

「専制政治だの民主政治だの、着ている服はちがっても、権力者の本質は変わらない。戦争をはじめた責任には口をぬぐって、戦争を終わらせた功績ばかり振りかざす輩だ」

「自分たち以外の人間を犠牲にしておいて、そら涙を流してみせるのが、奴らのもっとも得意な演技なんだからな」(シェーンコップ)

 

「あの連中は、吾々が政府に対する造反の相談をしているのではないか、と、うたがっている。というより、期待している。だとしたら、期待に応えてやるのが俳優の義務だろうよ」(シェーンコップ)

 

「その当時、つまり19、20歳のころの乱行ぶりを思い出すと……」
「いやいや、その当時に帰りたくなる。あのころは女という存在がじつに新鮮に見えた」(シェーンコップ)

 

「おれは命令するのは好きだが、命令されるのはきらいでね」(シェーンコップ)

 

「法にしたがうのは市民として当然のことだ。だが、国家が自らさだめた法に背いて個人の権利を侵そうとしたとき、それに盲従するのは市民としてはむしろ罪悪だ」

「なぜなら民主国家の市民には、国家の侵す犯罪や誤謬に対して異議を申したて、批判し、抵抗する権利と義務があるからだよ」(ヤン)

 

「自分自身の正当な権利が侵害されたときにすら闘いえない者が、他人の権利のために闘いうるはずがない」(ヤン)

 

第六章 聖地

「警戒が厳重だとすれば、侵入をこころみたとき、相応のリアクションがあるでしょう。そこで何かきっかけがつかめるかもしれない」(ユリアン・ミンツ)

 

「どうせしゃべるまい。狂信者とはそういうものだ」(アウグスト・ザムエル・ワーレン)

 

「だめだめ、半世紀前は女でした、という骨董品ばかりさ」(ポプラン)

 

「おれもな、女だけで苦労したわけじゃないからな。青春の苦悩ってやつの、おれは歩く博物館なんだぜ」(ポプラン)

 

「おれもやめたい。だけど人生はままならぬものでな。おとなになるってことは、やりたいこととやらねばならぬことを区別することさ。ではごきげんよう」(ポプラン)

 

「どうも男の服はぬがせにくい。第一、ぬがせ甲斐がない」(ポプラン)

 

「ものごとって奴は、最初のうちはなかなかうまく運ばないものでな……」
「だいたいは、もっとひどくなる」(ポプラン)

 

第七章 コンバット・プレイ

「おれたちが迫ってもイエスと言わんかもしれんが、奥さんがすすめれば、おのずと異なるさ。第一、ノーと言って獄中で死んだところで、誰ひとり救われん」(シェーンコップ)

 

「花園は盗賊に荒らされるものだし、美しい花は独占してよいものではないさ」(シェーンコップ)
「あら、ありがとうございます。でも、わたしは独占されたいと思ってるんですけど」(フレデリカ)

 

「なるほど、あなたは良心的でいられる範囲では良心的な政治家らしい」(シェーンコップ)

 

「だが、結局のところ、あなたたち権力者はいつでも切り捨てるがわに立つ。手足を切りとるのは、たしかに痛いでしょう」

「ですが、切り捨てられる手足から見れば、結局のところどんな涙も自己陶酔にすぎませんよ」

「自分は国のため私情を殺して筋をとおした、自分は何とかわいそうで、しかもりっぱな男なんだ、というわけですな」

「『泣いて馬謖を斬る』か、ふん。自分が犠牲にならずにすむなら、いくらだってうれし涙が出ようってものでしょうな」(シェーンコップ)

 

「ヤン・ウェンリーという男には悲劇の英雄などという役柄は似あわない。観客としてはシナリオの変更を要求したいわけですよ。場合によっては力ずくでね」(シェーンコップ)

 

「生命のさしいれ、ありがとう」(ヤン)

 

「超過勤務、ご苦労さま」(ヤン)
「どういたしまして。長生きするにしても、おもしろい人生でなくては意味がありませんからな。あなたをお助けするゆえんです」(シェーンコップ)

 

「あなたのように、つねに命令を受け法にしばられてきた人間が、そういった桎梏を逃れたとき、どう考え、どう行動するか。私には大いに興味がありましてね」(シェーンコップ)

 

「ヤン提督、あなたにはすくなくともあなたを救出するために戦った連中に応える責任があります。もはや同盟政府に何の借りもないでしょう。自分の財布で勝負に出るときですよ」(ダスティ・アッテンボロー)

 

「帝国の奴隷のそのまた奴隷として死ぬより、反逆者ヤン提督の幕僚として死ぬほうを、すくなくとも私の子孫は喜ぶでしょうよ」(シェーンコップ)

 

「無用な心配をするな。おれは150歳まで生きる予定なんだ。あと115年ある。こんな場所で死にはせんよ」(シェーンコップ)

 

「さっさと行け! 砂時計の砂粒は、この際ダイヤモンドより貴重だ」(シェーンコップ)

 

「わたし、後悔もしてないし、あなたに対して怒ってもいません」

「結婚してからたった二ヶ月たらずだったけど、それは楽しかったし、これからもあなたといるかぎり、退屈な人生を送らないですみそうですもの」

「どうか期待させてくださいね、あなた」(フレデリカ)
「エンターテイメントとしての夫婦生活か」(ヤン)

 

不本意な死にかたをしいられることと、不本意な生きかたを強制されることと、どちらがまだしも幸福の支配領域に近いと言えるのだろうか……。(ヤン)

 

第八章 休暇は終りぬ

「謀略によって国が立つか!」
「信義によってこそ国が立つ。すくなくとも、そう志向するのでなければ、何をもって兵士や民衆に新王朝の存立する意義を説くのか」

「敵ながらヤン・ウェンリーは名将と呼ぶに値する。それを礼節をもって遇せず、密告と謀略によって除くなど、後世にどう弁解するつもりだ」(ミッターマイヤー)

 

「リヒテンラーデ公の粛清は互角の闘争だった。一歩遅れていれば、処刑場の羊となっていたのは吾々のほうだ。先手を打っただけのこと、恥じる必要はない」

「だが今度の件はどうか。退役して平凡な市民生活を送っている一軍人を、無実の罪によっておとしいれようとしているではないか」

「保身をはかる同盟の恥知らずどもの犯罪に、なぜ吾々が与せねばならぬ? 軍務尚書はいかなる哲学のもとに、かかる醜行を肯定なさるのか」(ロイエンタール)

 

「嫌われるのはかまわぬが、足を引っぱられてはこまる」(オーベルシュタイン)

 

「ロイエンタールは建国の功臣、皇帝陛下の信頼も、レンネンカンプとは比較にならぬ」
「証拠なしに他者をおとしめるの愚は、レンネンカンプという反面教師によって卿も学んだであろう」(オーベルシュタイン)

 

「レンネンカンプを登用したのは予の誤りであった。わずか100日も地位をまっとうすることがかなわぬとはな。予が鎖を持ち、それにつながれていてこそ能力を発揮しうる者もいるということか……」(ラインハルト)

 

「それとも、おれは内心で期待していたのだろうか。レンネンカンプが失敗することを……」(ラインハルト)

 

「おれがいなくて、ヤンの奴がやっていけるはずがないだろう」(キャゼルヌ)

 

「後世の評価はおくとしても、実際、ヤン提督でなくては民主共和派の将兵を糾合できぬ。それゆえ同盟政府も味方ながら彼を恐れるのだろうな……」(メルカッツ)

 

「ヤン・ウェンリーという名優には、自己の限界をきわめてもらいたい。どうも本人に名優の自覚がなさそうで、舞台に追いあげるほうがひと苦労だがな」(シェーンコップ)

 

「おれは30にもならぬ青二才で閣下などと呼ばれるようになったのです。ヤン提督の麾下にいたおかげ、あるいはそのせいです。責任はとっていただかないとね」(アッテンボロー)

 

「反乱部隊などとごたいそうに呼ばれているが、おれの見るところ、家出息子の集団にすぎんね」(キャゼルヌ)

 

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

 

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