「水族館の殺人」の名言まとめました

「水族館の殺人(青崎有吾)」より名言をまとめていきます。

水族館で白昼堂々、観客の目の前で殺人事件が発生した。
すぐに警察が駆けつけるが、容疑者全員にアリバイがある。
手掛かりをつかめない警察は、前回の事件で謎を解き明かした裏染天馬に協力を依頼することになるのだが。
エラリー・クイーンのような論理的推理小説。

疑問

「どういうことだ?」
「どういうことです?」
「どういうことでしょう?」

不可能と思われる疑問に遭遇した、刑事3人がつぶやいたこと。
特別意味はないが、それぞれの立場や性格が見えてちょっと面白い。

刑事の行動

飯は5分で済ませろ。風呂は我慢しろ。家には帰るな、椅子で寝ろ。

事件を捜査している警部の考え方。
古い考え方だが、現場の大変さと努力を感じる。おつかれさまです。

イヤイヤ

できれば会いたくなかったし、呼び出したくもなかったよ。
二度と一生金輪際死ぬまで会いたくなかった。

依頼したくなかったが事件が複雑化してきたため、しかたなく裏染天馬を呼び出した警部が語ったこと。
嫌だけど仕方がない。自分の気持ちより、事件解決を優先する。本音と現実の葛藤が。

思いつき

わかったわけじゃない...思いつき。そうだ、これこそ思いつきだ。
根拠はないが、でも、もしかすると...いや、たぶん間違ってるな。
こんなのは、これっぽっちも論理的じゃない。

事件に関して考えている天馬の独り言。
勘や思いつきは、あくまで考えや予想にすぎない。
正しいかもしれないが、間違っているかもしれない。
言葉にすると人の意見も聞けるので、解決することも多い。
しかし一人歩きして、変な方向に進むこともある。
論理的に筋が通らない話はどうすればいいのか?

興味

ちょっと興味が出たんだよ。俺は興味のあることには全力で取り組む。

事件に対して、本気を出すことにした天馬が語ったこと。
世の中には頭のいい人がいる。多くの人が理解できる頭の良さは「秀才」と呼ばれる。
世の中には理解できない頭の良さがある。その理解できない頭の良さを「天才」という。
天才は自分のためにしか動かない。利益にも興味が無いことが多い。
問題自体が最高のご褒美。

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冷酷

...信じたいのは山々ですがね。
僕は、あなたが犯人でないという証拠を、何一つ握っていないですよ。

無実を訴える容疑者に対して、天馬が語ったこと。
数多くいる容疑者の一人に対して冷酷な対応。もちろん確証のない言葉に意味は無い。
そして一般的には、信じたふりをすることが多い。
しかしこの感情をなくした考え方が、一番正解にたどりつきやすい。
正解が、人の反感を買うことが多いのは残念である。

容疑者の証言

...が、あいつが犯人でないという証拠がない以上、その証言はまったく信用できない。

証言というのは基本的に、「信用できる」として進めていく。
その後、矛盾が出た場合に見直すのが一般的。
なぜなら、犯人でも多くは本当のことを話すから。
しかし天馬の中では、「信用しない」から始まる。
「信用しない」中から、「信用出来る」ものをピックアップする。
考え方に過ぎないが、複雑なものを解決する方法の一つとして利用価値がある。

核心

裏染は、常に核心を隠す。警察を騙し、容疑者を欺き、柚乃にも平気で嘘をつく。

柚乃が見ている天馬になる。良く言えば「ミステリアス」
人を見透かすような感じとふざけた日常。
ダメ人間に見えて、信じられないような天才性。
能力に信頼は置けても、信用はできない人ですね。

生真面目

本当に生真面目な人間は、自分で自分のことを「生真面目」だなんて言わん。

容疑者の中で、自分のことを「生真面目」と表現したことに対して。
「生真面目」もしくは「真面目」と、相手のことを表現する人がいる。
本人は褒め言葉のつもりだが、明らかにけなし言葉。
真面目という表現は、他にいい所が見つからない時の逃げの言葉だ。
また能力(立場ではない)が上の人に対して、「真面目」という表現はしない。
簡単に言えば「上から目線」の時だけ使う。
もちろん相手にこれを言えば、いつも文句を言われる。
「私はそんなこと考えていない!!」と。怒る時点で認めていると同じですけどね。
また自分から言う人は「自分はへりくだった善良な人間です」とアピールしているのと同じ。
そんな人はあやし過ぎる。

見映え

さっきのショーを見てたならわかるでしょう?
ああいうものは、見映えがよくないといけませんから。

天馬が全員を集めた推理ショーを行う前に語ったこと。
よく、「外見より中身だ!」と言う人がいる。
もちろん中身は大切だが、人が外見によって違う捉え方をするのも事実。
みすぼらしい結婚詐欺師に、騙される人はいない。
いつもは必要ないが、大切な時には外見を整える。
詐欺師にかかわらず、成功するには必要なこと。

人間と生き物

嘘をつかない生き物たちのために、人間たちが嘘をつく。

何か教訓めいた言葉ですね。残念ですが酷いのは常に人間。

探偵の言葉

いいえ、わかりましたよ。犯人の正体だけじゃありません。
どうやって殺し、現場でどういう行動を取って、どうやって逃げたのか。
僕には全て、手に取るようにわかっています。

「わかるわけがない!」と容疑者に言われた時、天馬が返した言葉。
事実を伝えたという意味はもちろんある。
しかしそれ以上に、その場を支配する意味も含まれている。
実績や立場があれば、無言でもその場を支配できる。
しかし優位性がない場合、このような小細工も必要になる。

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間違いの確認

(警部)「な、なんだ...間違った推理かよ」
(天馬)「嫌だな刑事さん、可能性を一つ潰した、と言ってください」

物事の方法は一つではなく、正解すら一つでは無い。
それなのに人は、一つの正解だけを聞きたがる。
また正解にたどりつくには複数の道があり、トラップが隠されているのにトラップが無いものとして正解だけに価値を感じている。
しかし、「トラップ(失敗)を知っている」という知識こそが、自分で正解にたどり着くためには絶対に必要なこと。
例え間違っていても、人の意見も含めたあらゆる考え方に意味はある。

感想

今回もかなり複雑ではあり、本格推理小説に値する内容でした。
ただ読み終わった後に考えると、もっと簡単に犯人を特定し、詰め寄ることで自白させることが可能だとも感じたが、それは別の問題としておく。
探偵役がアニメオタクの学生で、だらけた生活をしている点に引っかかる人もいるだろうが、個人的には面白かった。
古典で言えばエラリー・クイーンのような、論理的な推理物は少ないので、ぜひ読んで欲しい作品です。

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最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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