「月夜に溺れる」の名言まとめました

「月夜に溺れる(長沢樹)」より名言をまとめていきます。

神奈川県警生活安全部に所属する、バツ2のシングルマザー真下霧生。
行動力と推理力、そして恋愛体質?を武器にして真犯人を追い詰める。
表題作「月夜に溺れる」を含む短編4作の物語。

教訓

君が子供らしく、子供として接してくれていたなら、君は生き存えたはずだ。
精いっぱい背伸びをして、大人になったつもりでいた?
上手く大人を騙し、利用できたと思っていた?
人生はそう簡単なものではない。教訓を活かす機会が失われるのは残念だが。

犯人らしき人物の独白になる。頭や要領のいい子供は、得てして大人をバカにしがち。
数度の成功を重ねると、この先ずっと成功すると勘違いする。
大人は守るべきものが多いため、自由度と選択肢が狭くなる。
そのため追い詰められると、この人物のように後先考えない行動に走る。
適度で止めてほしい。

容疑者に対して

情はあるけど、ほだされてはいない。自分を見失ってもいない。

恋人候補が容疑者になった時の、真下霧生の心の声。
「情がある」と言いながら、割り切っている姿はかっこいい?

犯人の動機

彼女は、金よりも大の大人がみっともなく自分に頭を下げるのが、土下座して秘密を暴露しないでくれと頼む姿が滑稽だったと話した。
ばか丸出しだったと。そう嘲る姿が一番許せなかった。

犯人が取調べ時に語ったこと。被害者の名前は意識的に「彼女」に置き換えました。
人を脅迫して頭を下げさせ喜ぶのは、自分が低俗な人間だと言っているようなものだが、本人は気づかない。
土下座されているのだから、自分が偉いと勘違いしてしまう。必ず立場が逆転するのに。

表現について

奇を衒うことと独創的な表現は、見た目は似ているが、正反対だ。
前者は才なき者のまやかしであり、後者は抽象作品であっても、理論立てて意味を追うことが出来る。

芸術に関する考え方。言ってることは正しいし、私も同意見。
ただ、「誰がそれを決めるのか?」が明確になっていない。大御所と若手では感性が違う。
理解に苦しむような作品こそが、天才の証明かもしれない。
芸術について好き嫌いは自由だが、評価するのは難しい。

人の行動

人は誰かに評価、承認されたいとき、二種類の行動を取る。
自己を高めるか、周囲を堕とすか。

あまり考えたくないが、間違いのない事実。
特に周囲を堕とそうとする人は、ある程度頭のいい人のためやっかいな存在になる。
周りをどのように落としても、自分が評価されないという事実に気づかないのが不思議。

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芸術家の感性

「殺人が俗事?」
「その極みというか、なれの果てでしょう」

良くも悪くも感性の違いを感じる。
もっともこれぐらいの違いが無ければ、芸術作品を作ることは出来ないのか?

刑事の考え

この街を動かしている気なんでしょうか。月に三百万も稼ぐと、勘違いするんすかね。
そんなの違うと教えてあげないと。

援交をまとめている少女に対して、刑事が考えていること。
とりあえず援交の良し悪しは置いておく。買い手と売り手のどちらが先か分からないから。
話を戻すと、「月に三百万」は確かに大金だ。しかし犯罪であることから終わりがある。
それを考えると、どうしても割が合うとは思えない。

少女の独白

人の使い方も知らないばかは死ねばいいのにって何度も思ってるのに、週に一回とか優しくされると、それで許してしまうわたしこそばか。
もうそれもないみたいだけど。

援交に協力している少女の心の声。
全てを仕切っているようで、実際は更に上の大人がいる。
利用しているつもりが、利用されている。
悪いとは言わないが、「少女という価値」は本当に短い。

偽善と自己満足

関わる全ての犯罪者、犯罪に走らざるを得なかった者に親身になれはしない。
しかし、何もしないよりはいい。偽善と言われようと、自己満足と言われようと。

犯罪者に対する、真下霧生の対応について。
偽善を悪いことのように言う人がいる。
しかし偽善でも、しないよりはしたほうがいいと考えている。
そして偽善も二種類ある。
一つは、本心では無くても相手のために行う行為。
これは結果は分からないが、全面的に賛成。
もう一つは、悪意を持ちながら相手を信頼さすために行う行為。これは許せない。
偽善という言葉を、もう少し使い分けた方がいい。

刑事の勘

全ては勘。
だが勘は無意識下による精緻な論理思考の結果である、と思いたい今日この頃。

捜査時における真下霧生の考え方。
「何々の勘」という言葉をよく聞く。刑事の勘や女の勘など。
勘というのは経験からくるものなので、けっして間違いではない。
ただ問題になるのは、その考え以外に考えられなくなること。
あくまで選択肢の一つとして捉えたい。

最大の暴力組織

全国に構成員25万人、日本最大にして親方日の丸のヤクザ組織に真っ向から楯突く反社会組織はない。

言うまでもなく警察組織のこと。
最大の力と情報を持っている組織のため、本気を出せばあらゆる物を潰せる力を持つ。
有効には使ってほしいが、最大には使ってほしくない。

援交への理解?

あなたがやっていることは、ある種のセーフティ・ネットであることは理解している。
法律が現実に即していないことも感じてる。
わたしたちも居場所がない子たちをなんとかしないといけないと思ってる。

援交をまとめている人物に対して、真下霧生が語ったこと。
遊ぶお金欲しさに援交している子も多くいるが、家庭の事情や家出などにより、生活に困っている子もいる。
そこに需要と供給があり、また儲けを考える組織があるのだからなくなることは困難だろう。
認める気にはなれないが、強く反対する気にもなれない。
もちろん身内なら絶対に止めますが。

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昼間の仕事

昼間の仕事はあまりお金にならなかったけど、きちんと生きている気になれた。
心に余裕ができて、気がつくと自分のこと、将来のことを考えていた。

援交している少女が考えたこと。
もちろん昼間の仕事がお金にならないのではなく、夜の仕事がお金になりすぎるだけ。
このあたり前のことを、一度楽をすると戻れなくなる。

感想

個人的に非常に評価の難しい作品でした。まず主人公に感情移入がまったく出来なかった。
警察官としての行動には良さを感じるが、それ以外の全てに理解がついていかない。
内容については細かい状況説明が多く、読んでいてリズムが悪い。
何か外国の訳本か、何十年も前のミステリーを読んでいる感じ。
それぞれ短編だから仕方ないが、人物の心理的な感じがもう少し欲しい。
少し酷評になったが、テレビドラマなどに登場しそうな個性的な主人公であり、また描写も良く言えば細かく、推理的要素もある。
警察組織の動きに興味がある人なら面白かもしれない。

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最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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