「体育館の殺人」の名言まとめました

「体育館の殺人(青崎有吾)」より名言をまとめていきます。

放課後の旧体育館の舞台袖で、殺人事件が発生した。
容疑者は、現場の近くにいた女子卓球部の部長のみ。
その先輩の無実を信じる柚乃は、学校一の天才・裏染天馬に協力を依頼するのだが。
エラリー・クイーンのような論理的推理小説。

推理をするタイミング

まだ頭を働かすには、情報が少ない。
情報不足の頭で推理をめぐらすと、余計な落とし穴にはまりやすい。

柚乃の兄で今回の事件の担当となった袴田優作が考えたこと。
有名なホームズも同じことを言っている、推理における基本的な考え方。
推理することが悪いわけではない。
ここで問題になるのは、今後わかってくる事実に対して、自分の考えを前提に判断してしまうこと。
そして、客観的な考え方が出来なくなること。
例えばAさんが犯人ではと疑っていると
Aさんが犯人である情報は正しいと考える
Aさんが犯人ではない情報に対しては間違った情報ではと疑って掛かる
など、情報に自分でバイアスを掛けてしまう。
特に現代は情報化社会。しかし、そのほとんどの情報は役に立たない。
その膨大な情報から、自分に必要な情報を抜き出す能力こそ最大の武器になる。

事実の収拾

事実を一つずつ集めていけば、いらぬことをしなくとも何かが見えてくる。
その何かが、決まって真実なのである。

先ほどと同じく袴田優作の考え方。
私は捜査について詳しいわけではない。
しかし現実の捜査は、ドラマのように二転三転するものではなく、地道な調査による事実の組み合わせによって、犯人逮捕につながると考えている。
何事も華やかなことは一部だということを、理解しないと失敗する。

天馬の思考

わかったようなわからんようなって感じだが、間違いなく言えることは...
お前の兄貴は、大馬鹿者だってことだな。

天馬が、柚乃から事件の説明を聞いた後に語ったこと。
「何が正しいのかは分からないが、その考え方は間違っている」
間違っていることは、一つだけ分かれば十分説明がつく。

天馬の評価

まだ実感が湧かないほどの絶技を、とにかく彼は、やってみせたのだ。
この人は天才だ。

天馬の推理と経緯より、柚乃が感じたこと。
これはフィクションだが、現実でも信じられないような頭の回転を見せる人がいる。
このような場面に出くわした時、テストの得点などいくら高くても、「勉強のできる人」という印象しか感じない。

関係ないこと

勘違いしないでください。まったく関係ないわけではなく、「関係ない」という関係があるんです。

分かりにくい言葉だが、非常に大切な考え方。
真実を突き止める時には関係のある情報を集めるのと同じぐらい、関係ないという情報を確認する必要がある。
また少し違うかもしれないが、私が新人などに仕事を教える場合、わざと教えないで間違えさせてから正解を説明する時がある。
新人は「なぜ最初から正解を教えてくれないのか? 間違うことで時間がもったいない」などとよく言う。
しかしこれは、能力も無い段階で急ぎすぎ。
間違える経験の積み重ねが、今後発生する新しい案件を考える時に必要な能力の一つになる。
もし仕事などを覚えている途中の人がいたら、とりあえずどんどん間違って、何が正しいかを理解してください。

余計なこと

僕は、余計なことはしませんよ。常に意味のあることしかしません。

天馬が警察の捜査に同行しようとして、クギを刺された時に返した言葉。
普通の人でも、このように返されたら苛ついてしまう。
ただある程度の実績を見せられた後、このように言われると黙っているしか無い。

褒め言葉?

天馬は完璧な駄目人間だけど、とにかく頭はいいから。馬鹿みたいにいいから。

幼馴染による天馬評になる。言葉通りですが、これって褒め言葉?

ひどすぎる

そ、そんな...しっかりしてくださいよ。
頭脳まで駄目になったら、裏染さん本当の駄目人間になっちゃいますよ。

推理の思考に悩んでいる天馬に対して、柚乃が語った言葉になる。
本人はなにげに言っているが、これはひどすぎる。
ただこの後、天馬が言った言葉を聞けばそれも納得ですが。

天馬の自信

ここで全てを話しても、あんたが恐れてるようなことには絶対ならない。
あんたが犯人に狙われるより先に、俺がそいつを叩く。そこは約束する。

犯人に狙われそうな人から、話を聞く時に天馬が語ったこと。
たまには真面目なことも話している。
いつもの天馬と、この天馬はどちらが本当の姿なのですかね?

論理的事実

その口ぶりだと、正解率は1%程度だと見ているようですね?
ところが残念、正解率は100%ですよ。
これから僕がお話しする推理は、確固たる根拠に基づいた論理的事実だからです。

天馬がみんなを集めて推理を展開する前に語ったこと。
小説以外では絶対に言えない言葉です。
実際として、この論理的事実というのは非常にやっかいな代物。
なぜなら全ての証拠を確認した上で、他の状況を全て否定でき、残ったものが一つでなければならないから。
例えば犯人が自供したとする。周りで見ていた人も、それを見ていたと話している。
それだけなら論理も何も不要だが、別の一人が「みんなは嘘をついている」
と語ったらどうなるだろうか?
この一人が本当のことを言っているのか?
もしくは嘘を言っているか?
それを論理的に判断することは非常に困難になる。
しかし多数決で判断していいものなのか?ともなる。
みんなが判断できない犯罪を、実際は論理的思考で解決するのは困難です。
もし出来るとすればみんなが納得出来る展開を示し、相手に認めさせるぐらいだろう。

表彰

(表彰なんて)いらないいらない。ぜんぜんいらない。
金一封でもくれるってなら、別ですが。

天馬が事件解決後、刑事さんに語ったこと。
表彰されたり、ニュースで流れるようなことを名誉だと考えている人には、そうでない人の気持ちが分からない。
私も事件を解決するような行為自体に興味はあるが、表彰されるなんて面倒くさいだけ。
もっともそんな実力も無いので、ただの杞憂なのですが。

スポンサーリンク

天馬の性格

卑怯なのはお互いさまだろ?それに...俺はフェアプレイってのが嫌いなのさ。

事件解決後に天馬が語ったこと。
何事も聞いただけで、真実を答えてくれることは少ない。
事件に限らず販売をしているセールスマンなども、「買ってください」
と言ったところで売れる訳がない。
悪意で使われると困るが、知られたくない真実を知りたい時は、それなりの手順が必要。

感想

内容としては非常に読み応えがあった。
一つの事実に対して、本作のテーマである論理的な考え方を示したり、また最後の展開なども非常によく出来ていた。
もちろん私には解くことは出来なかった。
人によっては「少し論理が甘い」などと言っているが、デビュー作でここまで仕上げることがでれば、今後が楽しみだろう。
とにかく推理小説(ミステリーではない)が読みたいならおすすめです。

体育館の殺人 (創元推理文庫)
青崎 有吾
東京創元社
売り上げランキング: 109,282

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

スポンサーリンク

関連記事&スポンサーリンク