「夢幻花」の名言まとめました

「夢幻花(東野圭吾)」より名言をまとめていきます。

引退後、花を育てながら余生を送っていた老人・秋山周治が殺された。
偶然遊びに来ていた孫娘の秋山梨乃が第一発見者になるが、後日黄色い花が無くなっていることに気づき、ブログにアップする。
花の情報を得るために梨乃に近づいてきた、警察庁の蒲生要介。
なんとしても、この事件の犯人を捕まえたいと考えている、刑事の平瀬。
梨乃は蒲生要介に会いに行った時、弟の蒼太と知り合いになり、事件の真相解明に乗り出していくのだが。
著者が語る、「こんなに時間をかけ、考えた作品は他にない」

父親より

朝顔市というのは夏の風物詩だ。いわば日本の文化だ。
それを楽しむことに理由なんかは必要ない。

毎年家族で朝顔市に行くことを決めている、蒲生家の父親が話したこと。
行事や伝統などは、外から見てると面倒くさいだけに見える。
しかし、続いているものには何らかの意味がある。
私自身は非効率的なことを、しないことが多い。
しかし勝手だが、関わっている人には続けてほしい。

少女の言葉

楽しかったよ。でも楽しければいいってものじゃないし。

中学生時代の蒼太が、朝顔市で出逢った同年代の少女の伊庭孝美から言われたこと。
中学生が言う言葉ではないですね。何らかの力を感じる。
そして自分を縛るものには、嫌悪感を感じる。

花について

人間は嘘をつくから、付き合うのが面倒だ。その点、花は嘘をつかん。
心をこめて育ててやれば、ちゃんと応えてくれる。

後に殺害された秋山周治の言葉になります。一見、花が好きなだけの言葉に聞こえる。
しかし最初の言葉から人間を嫌いになり、花に逃げたとも言える。
実は嘘を言われること自体は問題ではない。「嘘をどう捉えるか?」が問題だ。
そしてその答えは、自分自身で決めることが出来る。

勉強嫌い

勉強が苦手なんじゃなくて、勉強したいことが見つかってないだけ。

梨乃が「勉強が苦手」と言った時、周治が話したこと。
多くの人が勉強と言えば、学校での学科を考える。
しかしそれは、勉強の中では一部に過ぎない。
極端に言えば、マンガに関わることがしたいなら、マンガを読むことも立派な勉強。
未来を描くには、テストなど「0点」と「100点」が共存してもいい。
なぜ全科目で、いい点を取ることが評価されるのかを考えないといけない。

過信

今まで何もなかったから、これからもないと過信していたのだろう。

被害現場を確認した時に刑事の平瀬が感じたこと。
人は過去と経験に引きづられる。たとえ分かっていても引きづられる。
多くの場合、変わらないといけないことも分かっている。
しかし変えることが出来ない自分を知っているので、「変えない」と言う。
愚かしい。

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正義感

正義感の強い人間は、周りの人々にも正義を求める。

多くの人が、その人に困ったことがあるだろう。
本人である人も多いかも?
正義感があることは悪くない。
しかし正義感が強い人は、「正義は人それぞれ違う」ということを知らないことが多い。
残念ながら正義感が強い人は、悪に対して残酷になれる。

兄弟の会話

(蒼太)「ちょっと待てよ。俺、何も聞いてないぜ」
(要介)「今、話した。それで十分だろ」

蒲生兄弟の会話になります。
この要介、言葉が端的すぎ。エリート役人っぽいとも言える。
多分、自分が言われたら腹を立てる。

普通の価値

そう、ふつうです。なぜ青いアサガオがふつうに存在するのか。そこのところが問題でした。

少し考えさせられたのでピックアップした。これを読んで、どう感じたでしょうか?
「だから?」と軽く流さないでほしい。たとえば、人は普通に歩くことができる。
しかし、「普通に歩くメカニズム」を解析するのは難しい。
「走る」となれば、もっと難しい。
このように考えれば、世の中分からないことだらけです。
将来億万長者になるタネは、そこらじゅうにある。

アサガオ

アサガオを長年育てていると、何年かに一度、こうした突然変異が訪れる。
ところが系統を維持するのが難しい。しかし、一瞬だけ訪れる奇跡だから楽しいといえる。
バイオ技術を使って増やしたところで、面白くも何ともない。

アサガオを長年育てている人が語ったこと。
上手くいかないから楽しい。たまに、予想外のことが起きるから楽しい。
好きなことは仕事ではなく、趣味にとどめて起きたいですね。

過ち

でもわかってほしいのです。過ちを犯さずに一生を終えられる人間などいないのだと。

ネタバレというほどではないが、誰の言葉かは伏せておく。
人に非難されるような犯罪を犯す人は少ない。
しかし「過ち」だけを考えれば、あらゆる人に無数にあるだろう。
むしろ書いているように、無い人などありえない。
できるだけ、人の過ちはゆるしたい。

同情

でも同情しないでね。
水泳をやめて何が嫌だったかというと、みんなに気を遣われること。

一時はオリンピックを目指すほどの選手だった、梨乃が話したこと。
多くの人が、このような時に同情する。しかし私は、なるべく同情しないよう心がけている。
なぜなら同情とは、相手を見下している態度だから。
「そんなことは考えていない」と、ほとんどの人が言う。
しかし、考えてみて下さい。同情とは相手が失敗した時に行う。
相手を見下ろすことが出来る状態の時に行う。
ここで、言われている人の立場から考えてみる。
普段自分が評価していない人から、上から目線で何かを言われる。
何もがんばっていない人からも、上から目線で何かを言われる。
こんなに嫌なことはない。

プロと天才

自分たちは上手くなった。プロレベルかもしれない。しかしそれだけだ。

ミュージシャンとしてプロを目指している人が感じていること。
世の中、上手い人はいくらでもいる。しかしプロになれる人は、ごく一部だ。
ましてプロの中でも飛び抜けるのは、さらに一部だ。
上手い人と凄い人の差は、あまりにも大きい。

一言

「それが役人だ」

蒼太が相手の自分勝手を攻めた時、要介が話した言葉になる。
まさに一言です。しかし、意味が分かりすぎ。
「役人」という言葉は悪口に利用されがちだが、こんな使い方があったとは。
まさに名言です。

完全について

何事にも完全ということはありえない。

誰の言葉かはネタバレになるので伏せておく。
世の中にイレギュラーはつきものです。
あらゆる計画は、それが発生することを考慮しなければならない。
しかし日本人は、完全や完璧を最初から求めすぎる。そして、時間がかかりすぎる。
「イレギュラーは起こるもの」として、ものごとは始めないといけない。

本物と偽物

だけど偽物はどこまでいっても偽物。本物にはなれない。

誰の言葉かはネタバレになるので伏せておく。
言っていることは分かる。しかし、これは言い訳に聞こえる。
たとえば、モノマネがある。簡単に言えば偽物だ。
しかし、モノマネも極めれば本物になる。
だだのコピーから始まっても、オリジナリティをつければいいだけである。
全てのものごとは模倣から始まる。

負の遺産

世の中には負の遺産というのがある。
それが放っておけば消えてなくなるものなら、そのままにしておけばいい。
でもそうならないのなら、誰かが引き受けるしかない。

最終的に蒼太が辿り着いた結論になる。
何を選んだかは伏せておく。マイナスなことは本来忘れたい。
しかし、残念ながら忘れさせてくれない。
誰かがする必要があるなら、「自分が」と思える人はすごい。

感想

読み終わった時、評価に迷った。多くの人が評価している。
著者自身も最初に書いているように自信を持っている。
しかし他の東野作品と比べて、優れているかと問われたら、「いいえ」と答えるしかない。
確かにラストの1/4ぐらいは非常に面白かった。
展開の速さや解き明かされる謎は、さすがと感じた。
しかし問題は、それまでの3/4の部分。
複数の人間が、それぞれの視点で話を進めていくため、場面の切り替わりが多く、のめりこめなかった。
また、それぞれのキャラクターの魅力も乏しいと感じた。
ガリレオの湯川学や加賀恭一郎シリーズほどは求めなくても、感情移入できるようなキャラクターが一人は欲しかった。
またほとんど、スリリングな展開も見られなかった。
それぞれの謎がリンクする感じは良かったが、それだけだったとも言える。
評価している人に怒られそうだが、東野作品をランク付けすれば、上位に入る作品とは考えていない。
しかし他の作者の作品と比較すると、面白いのは間違いない。
東野作品に必要以上に期待していると裏切られる可能性がある。
優しい気持ちで読み始めることをおすすめします。

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最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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