「墨攻」の名言まとめました

「墨攻(酒見賢一)」より名言をまとめていきます。

中国の戦国時代、国と城を守る技術を持つ墨子集団。
大国・趙は大軍を持って小国・梁を攻めようとする。
この国に派遣された革離は、たった1人で難攻不落の城に変えていくのだが。

物事

物事が神妙のうちに運ぶというのは一面では功を誤ることになるのだな。

墨翟は弁舌により、宋の国が攻められないようにすることに成功する。
しかし後日、宋の国に立ち寄った時、むげな対応を取られた。
このことにより知られない功績では価値が無いことを知る。
縁の下の力持ちは、評価されるべきである。
しかし実際は、評価されないのも事実となる。

戦争と守備

私は別に戦争をしにきたわけではありませんよ。
私はこの城を守るだけです。

今回はこの言葉自体ではなく、ここにいたる経緯を問題にしたい。
親である君主が革離を呼んでおきながら、息子は革離が戦いをあおってるとして非難する。
そのため今回の言葉も詭弁としてしか受け取られない。
助けに入る場合、誰もが受け入れている訳では無いことが問題になる。

墨子の警句

一人を殺せば単なる犯罪者だが、戦争によって多くを殺せば英雄である。

同じような意味の言葉はよく聞くが、2000年以上前の墨子でも指摘されている。
現代では理解されやすいが、戦争を非難していることでもある。
言い換えれば、君主を非難しているのと同じこと。
時代的には異端の考えとなる。

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戦の実際

戦さは作業です。能く造る者は能く守るのです。

戦争はどうしても、直接的な戦いに目を奪われてしまう。
しかし実際は、事前の準備が勝敗を分けることがほとんどである。
小は大に勝てないし、練度が高いほうが勝利する可能性が高い。
少数で勝利した戦いは、滅多に起こらないから有名になる事実を知る必要がある。

準備

これでよし。準備はすべて整った。

これも言葉自体に特別なことはなく、ここに至る経緯が問題になる。
ネタバレのため細かくは書かないが、嘘を利用して住民に怒りを起こさせる手を使っている。
本作の主人公・革離は戦争のプロではあるが、正義の人とは異なる面を持つ。

攻城戦

その通りだ。城攻めとは手間がかかるものと心得よ。

今回の攻め手は圧倒的多数であり、敵は小城に過ぎない。
しかし一回目の攻撃に失敗したのを見て、攻め手の将軍・巷淹中が話したこと。
簡単に見えてしまうと、基本をおろそかにしてしまうことがある。
また最初に失敗すると取り戻すために、手間の掛かる基本をないがしろにする場合もある。
慎重と臆病の判断が難しい時もあるが、やはりまず基本が大切となる。

賞罰

戦さが一幕すめばその時に必ず賞罰を下します。
さもなければ兵は節を保ちません。

戦いの後に賞罰すればいいと考える君主に対し、定期的に賞罰することを提案する革離。
短期決戦の場合は前者でもいいかもしれない。
しかし今回のように数ヶ月に渡る場合、人は気持ちを継続できない。
もらう側なら簡単に分かるのに、払う側になると意外と忘れがちになりますよね。

重要なこと

民心の和合こそがいかなる守城設備よりも重要なものであった。

設備を整えることはもちろんだが、最後は人となる。
ただ難しいのは上の機嫌ばかりを取れば、下に問題が生まれる。
下の機嫌ばかりを取れば、上に問題が生まれる。
両方バランスよく取ろうとすれば、両方から嫌われることも多い。
外部からの協力者は、技術よりも人間関係の問題とぶつかってしまう。

感想

ボリュームは少ないですが、内容は凝縮していて面白い。
実際に戦う場面もあるが、協力に来た革離がどうやって自分を認めさせるかが見どころ。
またいかに実力があっても、外部の人間が認めてもらうことの大変さもよく分かる。
現代にも通じる外部コンサルの難しさが分かる一冊です。

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墨攻 (文春文庫)

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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