「呉漢」の名言まとめました

「呉漢(宮城谷昌光)」より名言をまとめていきます。

中国後漢を開いた、光武帝劉秀の将軍として活躍した呉漢の物語。
貧しい家に生まれた後漢は、日々農作業に従事していた。
しかし能力と人柄を見込まれ、亭長に抜擢される。
しかしある事件に巻き込まれ、故郷を後にすることになる。
上巻では数々の変遷の後、劉秀に抜擢されるまでが描かれている。

呉漢(上)

念う力

人が念(おも)う力とは、小石を黄金に変えるのです。

ある人物に呉漢が言われたこと。
ここで注目したいのは、「思う」ではなく「念う」こと。
決して、ただ考えれば願いが叶う訳ではない。
それを通り越した所にこそ、初めて願いが通じるもの。
何ごとにも真剣に取り組みたい。

見聞

見聞を広めるのも、考えものです。識れば知るほど、真実から遠ざかることになりかねない。

知識を広めることは良いことであり、決して悪いことではない。
しかし知識を得れば、それによる固定観念が生まれる。
その思い込みは、真実を見えなくする可能性がある。
知識に振り回されてはいけない。

志とは、ある意味、雲に梯子をかけるにひとしい。
とてもできるはずがないと他人に嗤われてこそ、ほんとうの志だ。

人が理解できる考えは、しょせんその程度に過ぎない。
笑われ理解出来ない考えこそ、本当に高い目標となる。
また理解出来ないからこそ、新しい価値が生まれる。
人に反対されることは、大きな成功の可能性を秘めている。

無関係

この世で自分に無関係なことはひとつもない。

他人事と思っていても、突然自分に関係することがある。
その時に「まさか」と思っても、遅いことが多い。
常に自分に置き換えて、行動を進めていきたい。

上から

人を上から視ているかぎり、生涯、なにも視えない。

上から目線で話していると、その時は気持ちがいいかもしれない。
しかしそこから得るものはなく、ましてその人の価値が視えていない。
いかなる人にも優れた点はある。
もちろんその中には、自分にとって好ましくないこともある。
しかし見極める「目」だけは持っていたい。

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分かりやすさ

いつの世も、人民はわかりやすさを喜ぶ。

いろいろな捉え方が出来る言葉になる。
良い意味にも悪い意味にも考えることが出来る。
現代は、あらゆるものに対応しようとしすぎて、複雑過ぎる。

理想論

理想がすぎると悪になる。
頭のよいやつにかぎって、おのれの都合でしか、ほかをみない。

世の中には、良かれと思って始めても、結果が悪くなることがある。
理屈では上手くいくとしても、人に合うとは限らない。
頭の良い人ほど、自分の考えに固執してしまう。
人のことを考えすぎると、けっきょく何も行えない。
本当に物事を決めるのは難しい。

偉業

人の偉業がどの程度であるかをみきわめられない者は、大きくおどろかない。
おどろかない者に、たいした者はいない。

人の成功に対して、ケチをつける人がいる。
「大したことはない」と言って、認めようとしない。
その行動は、自分の存在を大きく見せようとするもの。
しかしその行動こそ、自分を小さく見せている。

タイミング

物には、売りどきと買いどきがあります。
人もおなじで、おなじ行動と態度が、ときがちがえば、その価値は霄壤(しょうじょう)ほどもちがってしまいます。

霄壤とは、「天と地」や「月とスッポン」のことになる。
昨日良かったことが、今日も良いとは限らない。
早ければ良いわけではなく、遅ければ悪いわけではない。
しかもこのタイミングには、物理的なものもあれば心理的なものもある。
どうせ事を行うなら、効果的に行いたい。

なんじが仇を討った直後から、なんじが仇にされて、追われることになる。
そういう一生でいいのか。

仇の相手にも肉親や関係している人がいる。
自分にとっては仇でも、周りの人にとっては大事な人であることも多い。
そのため誰かが終わらせなければ、復讐の連鎖が続いていく。
許すことが正しいとは考えていない。
もちろん仇を討つことが正しいとも考えていない。
ただ言えることは、仇が成功したことにより得るものは自己満足でしかない。
むしろ、失うものの方が多いのは間違いない。
どちらに比重を置くべきかは、本人にしか決められない。

天下

天下のためにおこなうことだ、恐れることはなにもない。

人のためになることと、法律とが相反する場合がある。この時は判断が非常に難しい。
人のためになると考えることが、人のためになるとは限らない。
法律よりも優先することがあると考えても、結果としてはただの犯罪者になってしまう。
人の考えも法律も時代と共に変わってしまう。
「天」のためなら、全てが許されるのだろうか?

利益

利益を求めて行動を起こすと、計算が狂いやすい。

利益を求めずに行動を起こすことは、ほとんどない。
しかし利益しか求めないとしたら、その行動に意味はあるのだろうか?
利益しか求めないとしたら近視眼的になり、予定通りになどいかないだろう。

突然

突然、その日はやってくるものだ。そのときに、うろたえずにすむ。
これから、そういう日にそなえた生きかたをしてみよ。

ある人物から呉漢が言われたこと。チャンスは誰にでも訪れる。
しかしそのチャンスを捕まえることが出来る人は少ない。
それをただ「見のがした」や「出遅れた」で逃すのはもったいない。
「その時」を期待して、常に準備はしておきたい。

感想

正直、この小説を読むまで呉漢という人物は知らなかった。
同作家の「草原の風」は読んでいるので出ていたかもしれないが、あまり印象が残っていないのが本音となる。
最下級の農夫である呉漢が出世するのだから、サクセスストーリになる。
ただ上巻だけで考えると、少し物足りない。
いくつかのトラブルは発生したが、危険というシーンがほとんどなかったからかもしれない。
本巻の最後に呉漢は大将軍になるので、下巻は戦闘シーンが多くなるだろう。
その点に期待して、次巻に続くものとする。

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