「八甲田山 死の彷徨(新田次郎)」の名言まとめました

「八甲田山 死の彷徨(新田次郎)」より名言をまとめていきます。

八甲田山 死の彷徨

序章

「地図は万能ではありません。地図以上のものと言ったら人間です」

第31聯隊の徳島大尉は第5聯隊の神田大尉に対して、地図が使えない可能性を話す。
疑問を問われた時、徳島大尉は案内人の必要性を訴える。

「精神だけであの寒さに勝てるものですか」
「胸まで埋もれてしまうようなあの深雪に勝てるものですか」

雪山を知る徳島大尉は、精神論だけでは勝てないことを話していく。
それは装備を整えず、現実を軽視している軍部への批判でもある。

「第一に旅団や師団の場当り主義的浅慮に操られることを懼れ」
「第二には雪を怖れ、第三には雪に踏みこんで行く人々を恐れています」

上層部に対して、今回の八甲田山が無謀なのを話す徳島大尉。
恐れを聞かれた時、軍部への批判を含むことを話していく。

第一章 雪地獄

しかし、休むより、ゆっくりではあるが歩いていたほうがいい。

案内人のペースはゆっくりではあるが、休もうとしないのを不思議に思う隊員たち。
最初は通常の軍隊との違いに戸惑うが、雪山ではこの方が好ましいことを体感で知る。

「将校たる者は、その人間が信用できるかどうか見極めるだけの能力がなければならない」

徳島大尉が案内人を信用しすぎるため、部下は疑問を問いかける。
しかし徳島大尉は信用できる人物を選んだことを話していく。

「隊長がやられるということは、小隊が全滅するってことです」

徳島大尉が気を張りすぎていることを心配する部下たち。
隊長が倒れると自分たちも終わることを示唆する。

「一生懸命に泳げ、愚図愚図していると第二の雪崩が来るぞ」

前方に雪崩が発生したため、急いで進むことを叫ぶ徳島大尉。
「泳げ」という言葉が印象的。

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第二章 彷徨

「だいたい山というものは優しい姿をした山ほど怖ろしいものだ」

第5聯隊の村山伍長は八甲田山を見て、昔に父親から言われたことを思い出す。
優しく見える山は安易に考えてしまい、結果として被害を受けるということだろうか?

「吹雪という敵がひかえており、突風という伏兵が現われ、寒気という賊が忍びこんで来て」
「身体の熱を奪うものであることを、周知せしめていただきたいんです」

第5聯隊は最初の天気の良さに安堵し、緊張感が保たれていない状態が続く。
神田大尉は大隊長に注意することを訴えるが、聞き入れてはもらえなかった。

彼は機関の一部に大きな疵を発見しながら、
その部品を取り替える余裕もなく走り出さねばならない機関士の気持で立っていた。

第5聯隊の神田大尉は、全体的に雪中行軍を安易に考えすぎていることを危惧する。
それでも止めることが出来ない、組織の論理を考えてしまう。

「雪の八甲田山だ、なにが起るか分からない……」

妻に対して、日程以上の予備を用意させる神田大尉。
疑問を問われた時、今回の行軍が普通で無いことを話していく。

だがすべては終った。結論は出たのである。

事前に悪天候が予想されることを知る神田大尉たちは、行軍の中止を訴える。
しかし大隊長は前進の命令を出したため、軍人として従うしかなかった。

生きる望みを失った場合は死ぬしかなかった。

自分の意見は採用されなかったが、計画者として責任を感じる神田大尉。
もし生き残れても未来が無いことを知っているため、生きる望みを失ってしまう。

第三章 奇蹟の生還

「絶対に途中で見たことは口外してはならない。命が惜しければ黙っていることだ」

第31聯隊は途中で第5聯隊が全滅してるのを見るが、どうすることも出来ず進むことを選ぶ。
徳島大尉は案内人に対して、口外すれば不幸が訪れることを伝える。

「兵隊なんていうものは勝手なものだ。おれたちのことを虫けらぐらいにしか思っていない」

進むのは無理と言っても進まされ、あげくに見たことを口外すれば投獄の可能性すらある。
その状況に案内人は、軍の理不尽をつぶやく。

二梃の銃が行方不明になったということは、二人の兵が行方不明になったことより重大事件なのだ。

徳島大尉の付き人の弟が死亡しているのを発見したため、その銃だけ持ち帰っていた。
第5聯隊を見ていないと話す徳島大尉の証言と矛盾し、大問題に発展する。
個人レベルで見れば些事だが、組織が絡むとおかしくなる典型だろう。

終章

「いや、第5聯隊は勝ったのだ。199人という尊い犠牲を出してこの戦いに勝ったのだ」

今回の大きな被害を知り、軍は寒中装備を整えることを決定する。
良否は別にして、装備を整えることを訴えていた人は勝利と話す。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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