「風よ僕らに海の歌を」の名言まとめました

「風よ僕らに海の歌を(増山実)」より名言をまとめていきます。

戦後日本に残ることになった、イタリア人の親子二代の物語。
第二次世界大戦時、イタリア海軍リンドス号の乗組員であったジルベルト・アリオッタは故郷に帰らず日本で生きることを決める。
宝塚でイタリア料理店を始めると、その料理は町の人を魅了していく。
妻と息子に囲まれ幸せに暮らす日々が続くが、思わぬ事実を知ることになる。

理不尽

いったい、戦争って、何なのでしょうね。
国の都合で戦いに駆り出され、国の都合でこれまで「味方」だった者が一夜にして「敵」となり、銃をつきつけられる。

同盟国であるイタリアが先に降伏したため、昨日まで味方であった日本が敵になる。
国はそれぞれの都合によって動く。そして、個人レベルの都合は全て無視される。
国という組織にいなければ生きるのは困難になる。
そして組織にいれば、生きるのに自由がなくなる。

予想できること

人生で、予想できることが、一つだけある。
それは、予想もしないことが起こるということだ。

少し哲学的な言葉ですね。しかし、長く生きている人にとっては事実なのでしょう。

イタリア人気質

「魚雷で船がやられたら、どうする」
「おれたちは泳ぐ。船はまた造ればいいのさ」

イタリア兵の言葉になります。
命と物のどちらが大切かについて、本来なら分かりきったこと。
日本人気質はもちろん理解できるが、大切な人がどちらを選んでほしいかは明白ですよね。

生きたい

今すぐ死んでも、悔いのない生活でなければならない。
このごろ、盛んに言われている言葉です。
でも、ほんとうに、今、死んでも悔いのない生活をしている人が、いったいどれぐらいいるでしょうか。
今、私は、猛烈に、生きたい。

戦時中の言葉ですが、現在でも同じ言葉はよく聞きます。
しかし、ちょっと考えてみました。
悔いのないほどの毎日を送っている人にとって、死んで大切なことが出来なくなるほど辛いことはない。
充実している人ほど、生きたいと思うものではないでしょうか?

今、大事なこと

憎んでも、どうにもならないんです。
あなたの大切なソノイケイコさんは帰ってこない。
ワタシの大切な妻も、息子も、両親も帰ってこない。
ワタシタチがやらなければならないことは、恨むことではありません。
生きていくことです。そう。それが、一番、大事。

戦争で家族を失った人の言葉になります。
まったくもってその通りですが、なかなか割り切ることは出来ません。
憎まないことは、家族を忘れるということだから。
正直、わたしにはどちらが正しいのか分かりません。
しかし、どちらが幸せに生きることができるかは明白です。

スポンサーリンク

選択の自由

君は、君の意思でそのまま今の場所にとどまることができる。
誰も責めたりはしない。同時に、何か行動を起こそうとするなら、それも君の自由だ。

今の生活を捨てるわけには行かず、しかし相手に対する思いもある。
ただ会いに言ったとしても、双方が混乱するのは目に見えている。
正解のない問題は難しい。

優しさと雨とダンス

「日本ではね、珍しいことがあると、雨が降るの。
アリさん、今日はいつも以上に私に優しい」
「では、雨が降らないうちに、今夜、ここで踊りましょう」

宝来橋のたもとにある夜鳴きそばの店。
二人で食べにきた時のジルベルトと妻のゆいの会話になります。
この返しは日本人には難しい。

悩みの解決法

私は叔父に、自分の抱えている悩みをぶちまけた。
すると、叔父はひと言、こう言ったんだ。
「ダンスホールでは、ダンスを踊りなさい」

ちょっと分かりにくいですよね。
意味としては、「その場所で出来ることを一生懸命やりなさい」。
ずいぶん普通のことですが、もう一つの意味が分かるとイタリア人らしい考え方があります。
「ダンスを躍るように、今できることを楽しみながら行いなさい」
人生、楽しめたら成功者です。

慣れと自由

今、おまえがそこで生きているとすれば、それはもう、十分に慣れているということだ。
また、どこか別の場所に行こうとするならば、それも自分の思い通りだ。
以上の他に何もない。だから、勇気を出せ。

イタリア人らしい割り切った考え方です。
「ここに居て良いのだろうか?」などと、日本人みたいに考えない。
居る権利も出る権利もある。自分の気持ちだけでも、自分の価値を認めたいものですね。

選んだ道

すべての修業が苦にならなかった。自分で選んだ道だと思えば勇気が湧いた。
ダンスを踊っていると思えば、楽しかった。

何となくしている仕事、やらされている仕事というのは辛く、なにより楽しくない。
自分で決めたことや目的があれば、苦しくても未来を見ることができる。
「今の仕事は楽しいですか?」

父から息子へ

ただ、これだけは絶対に忘れるな。おまえには、シチリアの男の血が流れている。
地面を見るな。太陽を見ろ。今こそ、自分の船で、漕ぎ出しなさい。

ジルベルトから旅立つ息子のエリオに話した言葉になります。
力強く、そして優しい。希望というのは、目線より上にだけ見えるのかもしれません。

成功の理由

ジルの始めたあの店がうまく行くのはわかっていたよ。
イタリアの男が成功する条件は、たったひとつだ。奥さんがしっかり者なこと。
ジルは様々な幸運に恵まれたが、あの奥さんと出会って結婚したことがジルにとっての最大の幸運だ。

結婚しているから成功するわけではなく、独身だから失敗するわけではない。
ただしっかり者の奥さんがいる人が、成功しやすいのは事実でしょう。
ただ、しっかり者にもいろいろありますのでご注意を。

凶報について

凶報は、吉報でもある。人生とは、そんなものじゃないでしょうか。

凶報というのは、出来れば受けたくないもの。
しかし凶報というのは、悪いながらも変化になる。
その変化の先には、意外と吉報が待っているかもしれません。

感想

非常に細やかな描写と美しい物語でした。
ただ前半は、ズラズラと文字が並んでいる感じで全体的に変化がなく、本に慣れていない方にはしんどいかもしれない。
逆に後半は非常に面白い。それぞれの人物が意思を持って行動し、物語が動いていく。
読後には、家族や故郷を考えてしまう一冊です。

アマゾンリンク
風よ 僕らに海の歌を (ハルキ文庫)

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

スポンサーリンク

関連記事&スポンサーリンク