「Ank : a mirroring ape」の名言まとめました

「Ank : a mirroring ape(佐藤究)」より名言をまとめていきます。

全ては「アンク(鏡)」という名を持つチンパンジーの存在から始まる。
ウガンダ共和国で密猟者によって負傷した7才のオスのチンパンジー、それが「アンク」
アンクは日本の京都にあるKMWP(京都ムーンウォッチャーズ・プロジェクト)に受け入れられ、数々のテストで高い知能が確認されていく。
しかし仲間のチンパンジーがテスト中に危険が迫った時、アンクが取った行動により全てが狂ってしまう。
パニックタイプのエンターテイメント作品です。

昔より変わらないこと

いつの時代も人間は群れのなかでしか生きていけない。
群れの掟、それは700万年前から変わらない。あるいはもっと昔から。

一人で生きているようでも、社会という枠組みで生きていることには変わりない。
いまさら感はありますが、「700万年前」という想像もつかない過去に想いをよせたのでピックアプしてみました。

優秀な人材

だから結局は、人材の問題だな。
たとえばボクシングのジムでも、アニメーションのスタジオでも、才能ある人間は自然と同じところに集まってくる。

KMWPセンターに人材が集まっている理由を語っている。
もちろん有名な人物が、多額の資金を使っている所に人が集まる、という考え方もある。
しかし、「うちには優秀な人材が来ない」と嘆いている経営者の方は「まず、自分は優秀なのか?」という謙虚な姿勢でいたいものです。

研究者

個体に囚われず、全体を見る。言葉にならない相手の心の動きを読み取る。

霊長類研究における考え方です。
このような考え方は動物だけに限らず、機械でもバイオでも新しい発見を探す人に必要では?

組織の人員

野生のチンパンジーの生態を知りつくすもの。
それでいて知識に偏りがちな学者以外の人物が、少なくとも二年は施設に常駐する。
それが研究に厚みをもたらす。

KMWPセンターの人材についてです。
研究所である以上、学者的な人が多く集まってくる。
しかし知識はあれど、実際の生態に詳しいとは限らない。
そこに管理を長くしており、実際の生態に詳しい人物の必要性を語っている。
住宅を研究しているチームに、大工のベテランを入れるようなもの?
同じ内容でも、違う方面からの深い知識は衝突することも多いが、確実なレベルアップが見込まれる。

AIの限界

われわれができることをAIや類人猿に教えたところで、進化の謎を解くことにはならない。
だから、何がわれわれに言語を、意識を獲得させたのかをまず知ることが、究極的なAIにつながる。

私は現在のAIがどの程度、進化しているのかは知らない。
しかし、おそらくは「優秀な人間のコピー」程度が限界ではと考えている。
書かれているような進化の過程をAIに組み込んだ場合、人間を凌駕するものが生まれる可能性がある。
例えば、将棋でプロに勝つAIは現在でも存在している。
しかし、将棋自体を開発できるAIは無いだろう。
このような研究は成功してほしい半面、怖さがありますね。

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知能と攻撃性

知能とは攻撃性の制御です。
それさえ可能であれば、あとは不慮の事故を防ぐだけの話ですよ。

チンパンジーにナイフを使った実験をしたときの言葉です。
チンパンジーのように知能がある動物なら、ナイフで人を傷つける危険な行動は取らないと判断しています。
しかし、私には「?」が付きます。
確かに人に当てはめてみると、包丁やナイフは料理に使ったり、サバイバルに利用したりと、有効に利用している。
しかし人によっては武器として利用し、自分に都合よく使っている。
知能の発達は、そのような違う有効性を見つけるという可能性も含んでいる。

世代の継続

世代から世代へと、行為を受け渡していく力において、これほどの高みに達した動物はいない。それが文化を生む。

人間と動物の比較です。
動物は本能的な遺伝子は残しても、形としては残さない。
人間だけが過去の知識を現代に残すことにより、高い技術と成熟した文化が生まれている。
例えば、自動車はいまやどこでも造られているが、過去の知識がゼロになり、一から制作すれば、どれほどの年月が必要になるだろうか?
積み重ねた歴史は大切にしたいものです。

恐怖の正体

ありとあらゆる冷静な状況判断をはぶいて、原始的な行動を脳に選ばせる緊急事態、それが恐怖だ。

怖い状況というのはいろいろと考えられます。
例えば、夜道を歩くことは怖いですし、ジェットコースターなども怖いと感じるでしょう。
しかし、「恐怖」とは違う気がする。
恐怖というのは、自分では判断できないものに出会った時、感じるものでは無いでしょうか?
本当の恐怖を感じた時、人はどのような行動を取りますかね?

殺戮

卵黄のように濡れた眼球、その瞳に映りこんでいるのは。殺戮がはじまる。

何か怖い表現でしたのでピックアップしてみました。ただの個人的な趣味です。

恐怖の意味

恐怖を言葉で説明することはできない。

恐怖に陥っている自分の状態を言葉にできるか?
いろいろ頭に浮かびますが、全てが違う気がする。
分からないから恐怖するのであり、そんなものを言葉にできるはずがない。

組織への依頼

恐れていたのは、会話がこういう方向に転がることだった。
根拠。科学的見地。どちらもそろっていない。
それを提出できなければ、組織は沈んだ船のように動かないのもわかっている。

暴動が発生する可能性を、対策組織に連絡した時の言葉です。
暴動でいろいろな所がパニックに陥っている時、可能性だけの突拍子もないことを言われたら、組織側も動くのは困難です。
ましてこの情報の多くは嘘なので、その中から本当を見つけるのは限りなく難しい。
責任所在のはっきりしない組織において、これが限界です。

暴動する人達

機動隊員は戦慄する。目の前にいる連中は人間なのか?

目の前に群がる理性を失った人達に対して、立ちふさがっている機動隊員が感じた言葉です。
人間の形をした何か、人間とは思えない行動。
そのような人達?を前にして、どのような神経を保てばいいのか?

知っていること、気づかないこと

誰でも知り得るからこそ、おれたちがそこに注視していることを知られたくない。

ネタバレになりますので、具体的な内容は省略します。
誰でも見てるもの、知っていることを少し変えただけで、莫大な利益を得ることがあります。
出来上がったものを見れば、「そんなこと」と思うことも少なく無い。
しかし、その些細なことに気づける人を天才と呼ぶ。

偶然と必然

偶然と言えば偶然だし、必然と言えば必然かもしれない。

暴動の中、思わぬ人物と出会った時の言葉です。
特別意味はありませんが、「言ってみたい」もしくは「言われてみたい」言葉だったのでピックアップしてみました。

自然について

自然は無意味なデッサンを残さないからです。
すべてに意味があり、もしそれらが無意味に見えるのであれば、単純にわれわれの側に見落としがあるということです。
同じ「ない」でも、はじめから「ない」のと、あったものが「ない」のは、まったくちがう事象だということです。

自然界について続けてピックアップしました。
自然界に「有るもの」「無いもの」「無くなったもの」全てに意味があるという考え方です。
しかし人が加わった場合、「出来てしまったもの」、「無くしてしまったもの」が発生する。
この結果、どのような未来が待っているのでしょうか?

本能

一度もヘビを見たことがない猿に、ヘビのおもちゃを放り投げると、彼らは瞬時に逃げだすのを知っているかい?
それが本能というものだ。本能は、生きるための呪いのようなものなんだよ。

動物における生きるための本能は、生まれた時から身についている。
しかし人間は生まれた時と同じぐらい、経験の積み重ねによる本能の書き換えがされていると感じる。
人は変われる、ということです。

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機密

人間の作った世界には、機密というものが存在する。
そして、その機密を知る権限の争いがある。
きみがそこに関わって生きるのは、やはり人生の浪費だよ。

機密や秘密には価値がある。そして価値に比例して危険がある。
どちらを取るかは人それぞれだが、巻き込まれるのは避けたいものです。

感想

まず最初に、本作にはハラハラドキドキするような展開はありません。
よくあるゾンビ物のような、「主人公がピンチを切り抜けながら街を脱出する」的なものではないからです。
ストーリー的に時期や場所が数ページ単位で切り替わり、一つにつながってはいるが言葉の羅列になっている箇所もあり、読むのに苦労した。
特に最初の150ページ程度は特別な事件もなく、淡々と研究や取材、人物の過去などが書かれているため、本を読み慣れていない人なら投げ出す可能性すらある。
個人的な意見だが、本作に娯楽的な面白さを求めていたら失敗と感じるかもしれません。
しかし緻密に書かれた内容や、よく考えられているストーリーは読み応えは十分といえます。
本をじっくり読みたい方には、間違いなくおすすめできる作品です。

Ank: a mirroring ape

Ank: a mirroring ape

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佐藤 究
講談社
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最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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