「AX(アックス)」の名言まとめました

「AX(アックス)(伊坂幸太郎)」より名言をまとめていきます。

殺しのスペシャリストなのに極度の恐妻家という、「兜」が主役の物語。
短編5編の構成になっている。
初めの3編は殺しよりも家族パート中心であり、発表済みをまとめたもの。
残り2編はシリアスな展開であり、書籍化に伴う描き下ろし。
肩肘のはらない娯楽作品として、間違いなく楽しめる作品です。

AX

皮肉

兜、おまえは今、非常に情けない話を、これ以上ないくらいに恰好良く語っているぞ。感動だ。

兜が殺し屋仲間に恐妻家のための行動を熱く語っていた。
その時に仲間から言われたのがこれ。皮肉だが、意外と本心かな?
本当に情けない行動ですが、ネタバレなので省略します。

自宅の罠

愛情はそれなりに長い結婚生活の中で、一目盛たりとも減っていないと断言できるが、常に、妻の機嫌を気にかけてしまうのは事実だった。
虎の尾ならぬ妻の尾は、家の床中に這っており、しかも見えない。
いつ踏むかも分からない。

兜の妻への気持ちと心得。
怖いけど一緒にいたい、いつも機嫌は気にかけているけど、不機嫌になる
理由がいつも予想外なので一向に分からないという所ですかね。
何かドキドキを楽しんでいる恐妻家ゲームみたいです。

BEE

暴力夫

この男は暴力夫で、だからこそ妻に命を狙われたのだ。
自分のように、妻の顔色を窺ったことなど一度もないに違いない。
そうだ、きっとそうだ。死んでも仕方がない男だったというわけだ。

兜が殺害対象の人物を観察している時に想像したこと。
この人物は妻から殺人依頼がきており、外見が獰猛な感じだったため、あくまで勝手に想像していることですが。
自分が出来ないことをする人物には憧れを持つ反面、意味のない敵対心も生まれるもの。
一言で言えば「迷惑な逆恨み」ですけどね。

妻の言葉

わたしが喋った時、夏は海だよな、とか返事してたじゃない。
あれは何だったの? 生返事だったわけ?
それともあれは別人だったの?

兜が以前とは食い違うことを言った時に、妻から言われたこと。
言われている風景が目に浮かぶ。
軽い会話だったため軽く返していたから忘れていたが、妻ははっきり覚えていたみたい。
兜はけっこう適当に会話をするで、多分事実でしょうけど相手が勘違いしていることもあるのでは?
ただ、相手が感情的に信じていることを指摘するという暴挙に出た後、どのような結果が待っているか。

恐妻家?の名言

緊張を感じさせるのは、おまえと、俺の妻だけだ。

兜が自宅に出来たスズメバチの巣を、除去しようと対峙した時に考えた言葉。
兜は殺し屋です。
数多くの危険な場面や強敵に会っているでしょう。
ただ、そっちでは緊張や心の動きを感じないみたい。
殺し屋は同業として予測できるが、スズメバチや妻は予測できないから?

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Crayon

恐妻家仲間

うちはよく、近所から、仲良し家族、と言われるんですけどね。
いや、もちろん不仲ではないんですが、私からすれば、必死にしがみついて、その仲良し家族を維持しているような気持ちになる時がありまして。

兜が知り合った、別の恐妻家の言葉になります。何か痛々しい。
もちろん家庭を築くことはいいことばかりでは無いでしょうが、「しがみついて」というのは表現は理解出来ない。
一見仲良く見えて、ネット等に幸せアピールをしてる人達の本当の内面を知りたいものです。

妻の人生訓

やれるだけのことしか人はできないんだから、やれるだけやって、無理なものは仕方がない。

妻がよく言う人生訓のような言葉になります。
これだけを見ますと、妻はサバサバしたいい人みたい。
実際に兜以外に対しては、機嫌の悪さをあまり出していない。
こうなると、兜にストレスをぶつけているのではなく、唯一許される相手なので「甘えている」のかな?
もっとも、甘えられる側にとっては迷惑な話ですが。

初心者と経験者

(医)「信頼を得るのはやはり、経験者です」
(兜)「ただ、どんな経験者も最初は初心者だ」
(医)「その通りです。けれど、どんなものでもそうですが、二極化が進んでいます。つまり、有名な人はより有名に、無名の者はいつまでも無名のまま、と」

医師とは兜に殺人の仲介をしている人物。
兜が殺し屋引退を希望した時、医師に言われた言葉になります。
簡単な作業の場合は、安い初心者でもいい。
しかし難しく、また失敗できない場合はベテランに依頼したくなる。
簡単な依頼しかない初心者はいつまでも名が売れず、ベテランは難しい依頼をこなした実績で更に依頼がくる。
逆に言えば、ベテランになれば安泰ということ。
ただまっとうな仕事ならともかく、悪事なら弱みを握られている状態。
そのため止め時が難しくなる。悪事は最終的に割が合わない。

強い立場と勘違いしている人

不思議なものですが、私は比較的、言葉を選んでいるつもりでも、妻は感情的に、そんなことを言ってしまって大丈夫だろうか、と私のほうが心配になるような台詞をぶつけてくるのです。

恐妻家仲間が夫婦喧嘩をした時の言葉になります。
いくら親しい中でも、言って良いことと悪いことがある。
たとえ相手が許してくれても、それには限界がある。
こういう人には言い返しても無駄です。
結果を示すしか改善する方法は無いのでしょうか?

EXIT

不満の大半

妻が抱える苛立ちや不満の大半は、「自分の大変さをあなたは正しく理解していない」ということに還元できる。

兜が考える妻の不満の理由になります。
ここで難しいのが、正しく理解しているかどうかは問題では無く、「正しく理解してくれている」と妻が感じるかどうかということ。
夫側がいかに正しく理解していようと、もしくは理解しようと努力しても、妻から、「いや、していない!!」と言われたら終わりですからね。
本来は相互努力のところだが、一方的になるのが恐妻家の辛いところ。
ただ恐妻家も相手にへりくだることができるぐらいやさいし性格なので、世間的な誘惑が多いという現実が。

明るい性格

明るい性格です、と自称する人間がえてして、他者を巻き込まなくては人生を楽しめない。

兜が考える、「明るい性格」の実態。
「明るい性格」と「みんなでいる」というのは必ずしも一緒ではない。
社交性が良く、けれど孤独にも耐えれる人は多くいる。
しかし、ここに書かれているように自称する人は怪しい。
「明るい」ではなく、「寂しい」といったほうが正しいかもしれない。

人を憎む理由

人が誰かを憎むのに、論理的な理由は必要ないからな。

いじめに近いものを受けていた息子に対して、兜が言った言葉です。
いじめられる側に明確な理由が無くても、いじめる側には「何となく気に入らない」と思えるだけで十分です。
もちろんダメですが、いじめる側にとって「気に入らない」は自分を正当化できる。
残念ながら逆の立場を味わうまで、本当の理解はできないでしょう。

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脅す側、脅される側

一方が自尊心を削られても抵抗できないほど、怯えているにもかかわらず、もう一方が、自分たちは安全地帯にいる、と平然としている。
珍しい光景ではない。

なぜこの言葉が出たのかはネタバレになるので省略します。
弱みを握ったり、力を利用して相手を思うどおりに動かす人がいる。
相手も動きたくないがダメージの比較により、相手の言うことを聞いてしまう。
そしてその行為自体が理由になり、今後は更に逆らえなくなる。
絶対に許せないことですが、一向に無くならない。
残念ながら脅す側にとって有効な手段なのでしょう。

自己中と責任転換

苦しむのはいつだって自分以外の誰かで、責任があるのはいつだって自分以外の誰か、と信じているのだ。

これもネタバレになりますので状況は省略します。
被害も受けず、責任も取らず、美味しい所だけ持っていくことを考えている人がいる。
一言で言えば甘えている人、もしくはズルい人。
少し話はそれるが、「話せば分かる」と言う人がいる。
このような人に、更なる大きな力以外で抑える方法があれば教えてほしいものです。

生き死に

生きると死ぬのでは大違い。
裏と表、天国と地獄、誰を裏切ろうが道徳的になじられようが、生き残ることこそが重要なのだ。

危険と隣り合わせにいる兜の言葉になります。
特に説明は不要ですよね。本当にイチとゼロでは違いますから。

予防の必要性

刺そうが刺すまいが、蚊は潰しておく必要がある。
刺されてからでは遅いからだ。

もちろん蚊でしたら、刺されても痒いだけの問題です。
しかし刺されてからでは取り返しがつかない場合は、事前の対策も必要でしょう。
ただし、「単に危ないから」や「危ないと思うから」で事前対策を行ってしまうと、際限がなくなってしまう。
歴史上、そのような悲劇が多すぎる。

FINE

外と内

外野から、正しそうなことを言うのは易しい。
当事者からすれば、物事はそれほど単純ではない。

なかなか殺し屋を引退できない兜の言葉になります。
「分かっていること、知っていること」と「出来ること」はまったく違う。
書いているように、周りから正しそうなことを言うのは簡単だ。
しかし、あくまで「正しそうなこと」が限界。
本当に実生活を生きていくのは難しい。

過去と未来

あんたが今までやってきたことを思い返してみなよ。悪いことばっかりだろ。
人の物、命を奪ってきたわけで、そういう恐ろしいことをした人間が、過去をリセットして、はいやり直します、なんてできると思っているの?

情報屋の桃が、兜に語った言葉になります。
因果応報という言葉がある。
よい行いをした人には良い報いが、悪い行いをした人には悪い報いがあるということ。
世の中はその通りではないが、そうあってほしいとは思ってる。
冷酷非情な殺し屋なのに、恐妻家で家族思いというだけで同情的になってしまうのは何故なんですかね?
もちろん、自分に関係する人が被害に合えば話は変わりますが。

妻のため息

妻は、「はあ」と分かりやすい溜め息を漏らすと、「苦しい言い訳」と洩らし、洗濯物を干すために部屋を出ていく。

兜が妻に言い訳(本当のこと)を言った時の、妻の態度になります。
気の短い人でしたら、本当のことを信じてもらえなかった夫側が切れてもおかしくない。
しかしそれは、恐妻家にとって一大事。
洗濯物干しから帰ってきた時にどうするかで頭がいっぱいになりますね。

待つことの意味

待てば海路の日よりあり、だけじゃなくて、待っている間に嵐がひどくなる、というケースもあるってことね。日々、勉強になるわ。

状況が悪くなっている兜に対して桃が語った言葉になります。
状況を改善する方法がわからない時、「もう少し待て」的なことで静観することが多い。
しかし天気ならともかく、現実は悪くなることの方が多い。
焦るのは良くないが、優柔不断にはもっと気を付けたい。
だた最後の、「日々、勉強になるわ」という軽口はちょっと使ってみたいですね。

秘密の確認

いくら秘密の洞穴とはいえ、鍾乳洞のある程度の気持ちだった。
真っ暗の、足を踏み入れたら底が抜け、生きて帰ってこられぬほどの恐ろしい洞窟の可能性もある、といまさら気づいた。

状況はネタバレになりますので省略します。
また、洞穴とか洞窟というのはあくまで比喩表現。
多くの人には大なり小なり秘密があります。
秘密を知るという行為は楽しいかもしれないが、取り返しがつかない場合もある。
大切なことなら良いが、軽い気持ちならしないほうが良いかも。

妻から見た夫

「あの人が? わたしに気を? いつ?」
母が目を丸くして、のけぞるようだったかから、むしろ僕のほうがのけぞった。

兜が妻を怖がり気を使っていることを、息子が母親に語った時の妻の言葉になります。
意外とこんなものかもしれません。
思いは通じていませんでしたが、その方が上手くいくのかも。

感想

ネタバレを避けるために言葉のピックアップは日常パートが主になっていますが、非常に面白い小説でした。
主人公の殺し屋と恐妻家のギャップ、妻への気の使い方と報われない現実。
また父親に協力的であり、同情的でもあった息子はポイントが高かったかもしれません。
最初の3編は殺しなどのスリリングさは少なく日常パートが主ですが、残り2編は1冊の本にまとめるに値する展開になっています。
本作は殺し屋シリーズですが、本作から入っても全然問題無いので、世のお父さんは特に読む価値有りの作品です。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

 
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