「彼方の友へ(伊吹有喜)」の名言まとめました

「彼方の友へ(伊吹有喜)」より名言をまとめていきます。

彼方の友へ

謙遜

日本人の謙遜というのはよくわからないな。あんなに堂々と歌いきっていたのに。
もっと賞賛の言葉をよこせという意味かい?

波津子が一人と思って歌を歌っていた時、言われた言葉になります。
個人的に謙遜は美徳と考えている。しかしそれは、相手の受取方次第。
外国人的感覚が強い人には、出し惜しみと取られる?

覚悟

覚悟を決めればなんだって門戸は開くよ。
佐倉嬢。叩け、さらば開かれん。求めよ、さらば与えられん。
興味があるなら連絡しておくれ。

波津子に職を進めた、軍装の女性の言葉になります。少し芝居掛かっているが、かっこいい。
それに押される波津子だったが、その職の内容が。

山師

おじさんは山師だもの。山のなかでお宝探しをするには、娑婆の仕事も必要なのさ。

波津子の叔父が語った言葉になります。
何をしてるか不明の叔父。少し権力に近いものを持っている。
いろんな意味の「山師」になる。

好きなこと

どんなに好きでも、すべてがそろわなければ、すべてをそろえる覚悟がなければ何も始まらない。

好きなだけでは無理なことがある。努力だけでは、始めることすら出来ないことがある。
最後は覚悟の問題になる。

評価

人の評価というものは、棺桶のふたが閉まるまで定まらないものだ。

途中の評価は、所詮途中の評価。
まだ先があるかもしれないし、これからは落ちていくだけかもしれない。
もちろん向上心が無くなれば、落ちていくしか無い。

怖れ?

何を怖がっている。飼い殺されたままでいいのか。
野に出でなければ、今以上のものは得られないよ。

能力はあるが会社に留まっている人に対して、語られた言葉。
自分の能力に限界を感じて、会社に留まっている人がいる。
元々、独立心のない人の場合もある。
言っていることは理解できるが、得ることを目的にしない人もいる。

美しい物

美しい物が好きならば、男も女も、年も身分も国籍も関係ない。
僕の絵が好きだと言ってくれる人が僕の友だ。

「乙女の友」で絵を担当している画家の言葉になります。
ある事件があったのだが、ここでは伏せておく。
戦前という時代はあれど、芸術は特別な人のためにあるのではない。
ただ金持ちが出資しなければ、芸術は生まれない。

少女

憧れはすぐに恋に変わっていく。そして少女はすぐに大人になる。

波津子の表情や態度より。説明は不要ですね。

わからない

いつも何かわからないうちに何かがおきていて。でも私だけが何も知らない。

波津子が置かれている状況について語ったこと。
流されるままに仕事につき、少し変わった依頼を受けている波津子。
そしてわからないまま、有賀主筆に拒否されている。少女の立場では何もできない。

文章と音楽

文章も音楽と同じ。緩急の加減、テンポやリズムが大事なのだよ。

同じことを書いていても、読みやすい文章とそうでない文章がある。
ほんの些細な違いだが、受ける印象が全く異なる。
文章が言葉の羅列にならないよう注意したい。

スポンサーリンク

遊び

ものを作る仕事には多少の遊びが必要さ。
机にかじりついているだけでは良いアイディアは生まれないよ。

まったく、その通り。正しい物は作れても、面白い物は作れない。
ただ、これをよく言い訳にする人が多い。

誰かの声

この広い世界に、僕の話を面白いと思ってくれる人がいる。
山に登っておーいと言ったら、おーいって返事が戻ってきた。
それも山彦じゃない。僕とは違う誰かの声で。あんな嬉しいことはなかったです。

出版後なかなか反響が無かった作家が、読者からのファンレターが届いた時の想いを語っている。
プロである以上、面白いかどうかは問題ではない。面白いと感じて貰えるかが大切である。
そんな時、ダイレクトなファンレターは嬉しいでだろう。
私が書いているのは、どうだろうか?

マチ

理由は違えど、僕も同様。長い、長いマチに入ります。今の世のなかでは僕はもう書けない。

ある理由から、文章を書けなくなった作家が語ったこと。
これは戦前の話。理不尽なことも、平気で行われる時代。
「長い」が続いているところが全てだろう。

力量

書き手にとって、いちばんの力量が求められるのは、知的で高尚なことを素直にやさしく伝えるときだ。

難しいことを難しく伝えることは、意外と簡単。
難しいことを分かりやすく伝えることは、非常に難しい。
文学の世界では、分かりやすい文章が低俗扱いされている。これは才能への嫉妬だろうか?

絶望と希望

絶望と希望は紙一重。気持ちの持ち方なのかもしれないよ。

分かるようで分からない言葉かも。
少し例を考えてみる。例えば、最終審査で不合格になったとする。
当然、合格できなくて絶望するだろう。しかし、もう少しという希望も生まれる。
災害により全てを失ったとする。当然、絶望に襲われる。
しかし、それでも生き残ったという希望が残る。ものごとは複眼で眺めたい。

彼方の友

難しく構えるな。彼方の友たちはいつだって待っているよ。

「友」とは読者やファンのこと。彼方は距離だけでなく、感覚的なことも指すだろう。
「友」はいつだって優しく、そして厳しい。

才能

学歴なんぞ関係ない。才能はすべてを凌駕する。

本来学歴は、高い能力を持つために行く場所である。
しかし現在では、学歴があれば高い能力を持つと考えている。
そのため出身大学で自慢するバカが生まれる。その能力はあまり怖くない。
しかしその内部から生まれる、結束力は脅威である。

たかが戦争

終戦二ヶ月前まで発行していた気合いの入った雑誌が、たかが戦争に負けたからといって、このままおめおめと引っ込むつもりかい?

焼け野原になった東京を見て、呆然としている波津子。
そこに奮起を期待して、絵師の純司が語ったこと。
ここまでくれば、出来るか出来ないかではない。するかしないかになる。
まず、「実行する」という決意がすべてとなる。

友へ

「友へ、最上のものを」。ただそれだけ。心をこめて、それを届けるだけ。

人は技術論に走りやすい。テクニックを多用し、読者を誘導しようとする。
しかしどん底の時には、想いの方が大切かもしれない。

最後は人

人さえいればね、物なんて、いくらでも作り直せる。生きてさえいれば。

「乙女の友」再発行の時、駆けつけた書店の方が語ったこと。
暗い時代には、明るものが求められる。
明るく見える時代には、暗いものが求められる。どちらが幸せなのだろうか?

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

アマゾンリンク
彼方の友へ

→インデックス

スポンサーリンク

関連記事&スポンサーリンク