「小さいそれがいるところ根室本線狩勝の事件簿」の名言まとめました

「小さいそれがいるところ根室本線狩勝の事件簿(綾見洋介)」より名言をまとめていきます。

亡くなった母より、遺言として奇妙なお願いをされた。
北海道で30年前に男の子から貰った、ロードクロサイトという赤みがかった少しグロテスクな石を、本人に返してほしいという。
白木恭介は「東羽帯」という地名と、「佐伯義春」という名前だけを頼りに、とりあえず北海道に向かうことにしたのだが。
鉄道と秘境駅が絡む良質ミステリーです。

母の死

よく、親から見て子は分身と言うけど、それなら子から見れば親は本体だ。
本体をなくして初めて子である自分の脆弱さに気づく。

一緒にいると、うっとうしいこともある。離れていても気にならない。
しかし、いなくなるのは話が別だ。「親が本体」とは、よく言ったものだ。

母より息子へ

せっかく私が頑張って産んだんだから無駄にはしないでよ。

母より息子へ、最後のお願いになります。
当たり前のような言葉だが、当たり前ではないですよね。
本当に、「無駄にしているのでは?」と思える人が多すぎる。

趣味について

鉄道の趣味に関してはあえて周囲を巻き込むことはしない。自己満足で結構だ。

鉄道が趣味の人は多い。「撮り鉄」「乗り鉄」「模型鉄」など種類も豊富だ。
しかし、そうでない人との温度差も激しい。
鉄道マニアに限らず、趣味を語るのは仲間内だけが良さそうですね。

列車の歴史

列車は自然とそこを走っているわけではない。
列車を作る者、線路を敷く者、そのための道を切り開く者など、多岐にわたった様々な仕事を完遂する者たちがいて、ようやく列車が走るのだ。

現代でもこれらは大変なのに、昔はさらに大変だったでしょう。
過酷な環境での作業もあったことだろう。最初の一歩から継続まで、頭が下がるばかりです。

北海道

北海道はその広大な土地面積ゆえに、かって鉄道は必須のインフラだった。
今となっては利益の取れない駅ばかりで北海道は地盤沈下を起こしている。

北海道の鉄道事情について詳しくは知らないが、厳しいことは知っている。
メンテナンスの問題がニュースで取り上げられていたが、努力では解決出来ないことも多いだろう。
不採算路線の廃線を決めると、すぐ「利用者が!」という人がいる。
個人的には、明らかな発想の転換が必要と考えている。
鉄道会社は列車を走らせるだけが、仕事ではないのだから。

故郷

故郷は忘れるものじゃない。ただ、眠っているだけだ。

なかなか、かっこいい言葉ですね。
ただ多くの人が思い描く、田舎な故郷ならイメージも分かる。
しかし都会ではなくても、普通に家が立ち並ぶところで生まれ育つと郷愁は湧かない。
少し懐かしく思う程度なのは、なんとなく寂しい。

食い違い

ちょっとした歯車の食い違いなんだよね。
そのズレが大きくなることもあれば、逆に小さくなっていつしか戻ることもある。

初めは些細なことから始まって、結果は大事になることがある。
ちょっとした冗談が相手の気に触ってしまい、親友の関係が壊れることもある。
旦那や嫁のケータイを見たために、勝手に不安に陥り、離婚につながることもある。
もちろん、些細なことは些細なことで終わることも多い。
しかし相手と自分の考え方は違うことを、常に頭に入れておきたい。

汽車と電車

こういう田舎じゃディーゼルは珍しくない。
都会の人間は列車はみんな電車だと思ってやがる。
正確には気動車かディーゼルカー、あるいは単に列車、称として汽車と呼ぶこともあるが断じて電車ではない。

なかなか難しい。
汽車と言えば「D51(デゴイチ)」のような黒い蒸気機関車をイメージしてしまう。
そうではない?
また20年ほど前に北海道に住んでいた時、現地の人が「汽車」という表現をしていた。
若い人がそのような表現をしたため驚いたが、正しいことを言っていたんですね。
ただ都会と言われるところでは、「汽車」とは言わないほうがいいだろう。
マニアの間ならいいが、一般の人は「馬鹿にする」傾向にありますので。

時刻表

「鉄道ファンたちは鉄道各社が発行している時刻表を元に自分で乗り換え経路を考えるんだ。頭の中でどういう乗り継ぎで行くかシミュレーションをするのも楽しみの一つだ」
「そうそう。頭の中でちょっとした旅行が楽しめる」

「鉄道ファンだけ?」と思ったけど考えた。「もしかして普通ではないかも?」
「無人島に一つだけ趣味の物を持っていくとしたら何?」という質問をしたら
「時刻表」と答える人がいることは知っている。しかし、若い人には理解できない?
おそらく乗り物の乗り継ぎは、パソコンやスマホで調べるのが当たり前だろう。
わざわざ、あんな重い時刻表を使うとバカにするかもしれない。
しかし、あの数字が並んだ時刻表にはロマンがある。いや、あると思いたい。

人間性

客観的に見る人間性とはあてにならないのも事実だ。

書いているように「客観性」は微妙なものだ。
客観性とは、その人にとってのイメージであって、決して正しいとは限らない。
たとえば、10人中9人に優しくて1人に冷たいとする。
では、11人目に対してはどうなるだろうか?
優しくされた人と冷たくされた人では、相手に対して客観的な感覚は違う。
11人目を誰に聞くかによって、相手の第一印象が変わってしまう。
人の意見は大切だが、あくまで参考に留めたい。

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息子から天国の母へ

せっかくもらった人生だ。つまらないものにはしないし、決して無駄にしないよ。

初めの方に書いた、母から息子へのメッセージの対になる言葉になります。
気持ちのいい言葉なのでピックアップしました。
ただ、個人的には一つ付け加えた。
「つまらなくてもいい、無駄にしてもいい。自分を大切にして下さい」、と。

感想

初めて読む作家の作品だが、非常に面白かったです。
初めの人探しから、少しずつ謎が絡んでくるあたりは、非常に読み応えがある。
また鉄道ネタも多数盛り込まれており、鉄道マニアでなくても引きまれる。
後半はサスペンス要素もあり、ハラハラドキドキ感もある。
このように非常に良かったのだが、一点だけ不満がある。
それは、主人公の魅力だ。主人公の白木恭介は、ちょっと普通すぎる。
特別な個性や能力がなく、好奇心と善良な考えを持つ普通の青年という感じ。
感情移入は出来たが、好きにはなれなかった。
ただ本作は、「このミステリーがすごい!」の最終選考まで残った、作者のデビュー作。
間違いなく、今後に期待が持てる作家だろう。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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