「銀翼のイカロス」 の名言まとめました

「銀翼のイカロス(池井戸潤)」より名言をまとめていきます。

テレビドラマなどでおなじみの半沢直樹シリーズの4作目になります。
半沢直樹に頭取からの指名で大仕事が舞い込んできた。
経営難に陥っている「帝国航空」を再建せよ、というのだ。
何とかして再建計画を提出するのだが、折しも政権が交代し白紙状態となる。
その後政府主導の再生タスクフォースより、500億もの債権放棄の依頼が。
社内の派閥抗争、政府及びタスクフォースからの要求、金融庁の検査など、問題が山積みの状況の中、いかにして半沢は解決していくのか?
人の愚かさや醜さなどもありますが、とにかく痛快なエンタメ作品です。

事情

必然性はないな。ただ───諸般の事情がある。

半沢が必然性を確認した時の、上司の言葉になります。
言っていることは分かるけど、非常に嫌な表現です。
この日本的な感覚が、どうも好きになれません。

有識者会議

(半沢)「ですが、今ひとつ有識者会議の性格付けがわかりません」
(内藤)「お飾りだよ、あんなもの」

半沢と内藤部長の会話になります。まさにバッサリですね。
確かに、テレビとかでよく見る多数の有識者による会議で答えが出るとは思えない。
それぞれに優秀な人だとは思いますが、あのように大勢いてはそれぞれが持っている知識や経験を活かせない。
「しています!」というパフォーマンス以上ではあり得ない。

嫌味

部下のせいにするのは旧Tの得意技か。君は実務の責任者だろう。
だったら、全て自分の責任です、ぐらいのことはいったらどうだ。

半沢が部下のせいばかりにする、旧T派閥の人物に語った言葉になります。
上司は部下に実務的な苦労をかける。その代償として責任を追うのは当然のこと。
しかしその当然のことが、組織では当然でないのが残念。

社会貢献

世の中のためになれば赤字でもいいというのは間違っています。

社会性を理由に赤字を許容している、帝国航空の社長に対して半沢が語った言葉になります。
民間企業にも社会に対する貢献は必要です。しかし、赤字でもいいというのは間違っている。
もちろんその部分だけが赤字でも、他で補っているから社会貢献を優先して継続するなら価値がある。
しかし会社が赤字の状態で、また回復が困難な場合は「いつか」潰れることになります。
民間企業にとって、倒産することがもっとも「悪」といえる。

お金

どんな大会社であろうと、金が無くなれば行き詰まる。

ごくごく当たり前のこと。
しかし大会社だからこそ、「金」という概念が薄いように感じる。

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口論

(谷川)「安全運転の軽視だという意見もあるのをご存じですか」
(半沢)「どこでの意見ですか?」
(谷川)「一般的に」
(半沢)「そんな議論は通用しませんよ」

帝国航空に融資をしている、別銀行の担当者である谷川と半沢の会話になります。
世間の多くが「銀行は金に汚い」イメージを持っている前提で、対応に苦慮している状態。
現実でも、「一般的に」とか、「民意」とか、漠然とした世間の声を、全ての声みたいに話す風潮が見える。
贔屓目にみても、この言葉を使った段階で小者と言って間違いない。

正論

正論がいつのまにか端に追いやられ、詭弁がそれにすり替わる。
考えすぎた挙げ句、時としてバカでもやらないようなことをするのが組織というやつだ。

正論は時として耳に痛いもの。逆に詭弁は、その瞬間において非常に耳に心地よい。
後から考えると誰もが分かるのに、その瞬間には気づかない。もしくは気づきたくない。
一人ならどうにでもできるが、組織では出来ないことが多い。
一体、組織とは何なのだろうか?

選民意識

かって公の航空会社であった頃の、抜け切らない慢心と油断が蔓延する経営陣。
さらに、それがどんなに世の中の常識からズレたものであってもお構いなく、既得権益にぶらさがる従業員たち。
待遇を巡って訴訟するら辞さない労働組合。

国に関わっていた企業の末路になります。
最近は変わってきているが、以前は金銭感覚がかなりおかしかった。
サービス自体が悪かったとは思わないが、そのためのコストの感覚がなさすぎる。
お金はどこかから、降ってくるとでも思っているようだ。
税金を使っているという感覚が薄いのだろう。
しかも自分たちは、それに倍する収入を得ている。

融資

過剰投資になってしまうような設備資金なら貸さないほうがいい。
融資をしないことで取引先を救うことだってあるんだよ。

バブルでミスをした、ベテラン銀行員の言葉になります。
融資はあくまで借金です。当然有効に利用して、利子を付けて返さなければいけない。
停滞がいいわけではないが、無理な拡大は失敗の原因になる。
実行する勇気よりも、止める勇気のほうが難しい?

勘違い

勘違いした銀行員はどこにでもいるからな。

銀行員が全て悪いとは考えていない。
しかし高い給料をもらい、お金を貸す側の立場になれば、上から目線の人になる。
お金を貸すといっても2種類ある。お金を貸す時と借りてもらう時だ。
貸す時は横柄になり、借りてもらう時は頭を下げる。
弱きに強く、強きに弱い典型が出来上がる。

カネ儲け

カネ儲けにはカネが要る───。
安く仕入れて高く売るビジネスに先立つものは、一にも二にも元手である。

基本的にビジネスの利益は比率である。元手が大きいほど、実際の利益は大きくなる。
少なくとも過去はそうであった。しかし、現代もそうだろうか?
確かに博打的な投機には大量の資金が要るだろう。
しかし、継続的なビジネスに対してはどうだろうか?
最近の成功事例を見ると、最初は小さく始めて、状況を見極めながら巨大になっているイメージが強い。
かっての日本の様に安い人件費を利用して、大量の商品を扱うなら別だが、現在の日本には合っていない。
「最初はカネの要らないビジネス」こそが、未来を作ると考える。

気のせい?

面倒なことばかり押し付けられている気がするのですが、気のせいでしょうか。

無理難題を押し付けられている半沢の言葉になります。
気のせいではありません。優秀な人には面倒なことが回ってきます。
良く言えば認められている。悪く言えば体よく利用されている。

火の粉

降りかかる火の粉は振り払わねばならん。もちろん───自分の力でな。

上司から半沢が言われた言葉になります。
個人に降りかかる問題は、組織は助けてくれないということ。
「組織だからこそ助けない」と言ったほうが正しいですかね?

挑戦状

オレは、基本は性善説だ。だが、悪意のある奴は徹底的にぶっ潰す。

悪意のある相手に対しての、半沢からの挑戦状になります。
物語も中盤になるが、ここまで半沢は悪意のある行動を取っていない。
むしろ正論ばかりを言ってくる、融通の聞かない社員というイメージすらある。
しかし、それも相手を信じての行為だったことが分かる。ここからがスタートです。

難しいこと

従うより、逆らうほうがずっと難しい。

社内からの意向に対して、自分の考えを通そうと考えてる半沢の言葉になります。
会社の意向にそって行動すれば簡単だ。たとえ間違っていても言い訳が出来る。
逆に意向に逆らうと、たとえ正しくても、結果がついてきても社内の立場が悪くなる。
本心から会社を思うなら、逆らうことが正しいこともある。
しかし自分と周りにとってどちらが正しいかは、非常に難しい。

理想と現実

理想は多いに結構。
だが、現実を知らない者が理想を語ったところで結局は恥を掻かされるのがオチだ。

ここから二つのことが考えられる。
確かに現実を見ていない理想は、あくまで理想に過ぎず、結局混乱をもたらすだけで、意味のないことが多い。
これは事実であるが、現場サイドの逃げとも言える。
逆に現実だけをみて理想を無視していると、一生その固定観念の中で生きることになる。
現実を見つつ、理想は忘れてはいけない。

決め台詞

たとえ相手が政治家だろうと、関係ない。この際、きっちり片を付けてやる。
───やられたら、倍返しだ。

有名すぎる半沢直樹の決め台詞です。取り敢えずピックアップしました。

身の丈

全ての会社には、その会社に合った身の丈の欲ってのがあるんですよ。

ある経営者の言葉になります。
夢を見ることはいい。しかし夢を見すぎてはいけない、という所ですかね?
現実的な言葉だとは思いますが、去りゆく人の寂しい言葉にも感じます。
これからの人には似合わない?

未来の評価

物事の是非は、決断したときに決まるものではない。

決めた時には悪評でも、結果が良いことがある。
逆に決めた時には好評でも、結果が悪いことがある。
歴史を見れば、そんなことばかりだ。
しかし未来のために、現在の悪評をかぶれる人はほとんどいない。

感想

半沢直樹シリーズも4作目になりますが、個人的には前作までを読んでいないため、本作が初めてとなります。
またテレビドラマも見ていなかったため、有名な決め台詞以外は何も知らない状態でした。
それも踏まえて評価しますと、非常に面白い。
テーマも壮大ですし、ストーリーの展開も良い。キャラクターも善悪含めて魅力的と言える。
400ページを超える長編ですが、一気に読めました。
ただ、よくも悪くも組織の悪い点が浮き彫りになっているため、将来に対する希望を失う人がいるかも。
純粋なエンタメ作品としては非常に素晴らしく、私もシリーズ一作目から読んでみたくなりました。
もしまだ読んでいない人がいましたら、おすすめしたい作品です。

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銀翼のイカロス (文春文庫)

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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